雷鳴とともに不信任案は否決され | がいちのぶろぐ

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朝のうち晴れていた空が、夕方になって急に暗くなり、空一面が鉛色の雲に覆われるようになった。部屋に入って来る風の匂いも、少し湿っぽいものになってきた。

 

 

 

きっと、間もなく雨が降り始めるのだろう。早々と梅雨入りした割には、雨が全然降らない日が続いたり、降っても夜中にザッと来てお終いだったりと、やや頼りない梅雨だ。

 

そうこう言っているうちに、ゴロゴロ、バリバリという雷鳴とともに、大粒の雨が落ちてきた。小庭の蹲踞(つくばい)にも、雨滴が作る大きな水の輪が拡がっている。

 

 

 

さて明日は、いよいよ国会が閉幕する。論点はとても多くありながら、恐ろしいほど盛り上がりに欠けた国会になってしまった。いったい何がそうさせたのだろう。

 

野党が提出した内閣不信任案は賛成少数で否決された。不信任案が出たら衆議院を解散すると、自民党幹部が息巻いていたわりに、あっさり解散はしないという話になったらしい。

 

それはそうだろう。これだけ内閣の支持率がダダ下がりに下がっている状態で、衆議院の解散⇒総選挙となれば、目も当てられない結果になり兼ねないから。

 

それにしても、菅総理はオリンピックを〝何があってもやる〟という。そして、7月には東京都議会議員選挙があり、オリンピックからパラリンピックへと続いて行く。

 

それらが終わる頃には、もう9月の声を聞いている。その直後には、自民党の総裁選挙があるのかないのか。10月には、否応なく衆議院議員4年間の任期満了を迎える。

 

さて、ついに日本の命運を左右する3カ月に突入した。野党が要求した国会の会期延長は自民党が拒否したから、国会が閉会したまま『熱い夏』を迎えることになる。

 

コロナ禍が1年半近くも続いている中で、与野党は何一つ議論がかみ合わないままだし、安倍・前総理が政権を投げ出した後、菅総理の〝説明なし〟政治が常態化している。

 

私が選挙権を得てから半世紀余りの間に、これほど情けない政治状況は存在しただろうか。その間の大半は自民党政権だったけれど、かつては自民党内での〝浄化作用〟が有り得た。

 

それが今では、衆議院が小選挙区制というシステムになったために、立候補に際して党の公認を求めるなら、執行部には逆らえないという状態が続いている。

 

その上に〝勇ましい〟発言をすることが、こちらも常態化したため、世の中は「軍靴の響きが轟く社会」が大好きな人たちによって、国の方向性が決められる感じがしている。

 

軍事は〝おもちゃ〟ではない。覚悟の問題だ。それを、勇ましい発言を繰り返すことは、最も危うい〝おもちゃ〟を弄ぶことになり兼ねない。万一、暴発することも有り得るから。

 

ましてや現役の政治家が、腹の底からの覚悟もないままに、言ってはならないことを言い出しているような気がしてならない。それが、中味を明らかにしないままの改憲論議だと。

 

もはや、国民が唱える異議は無意味だろう。オリンピックは開催されるし、パラリンピックが始まるころには、第5波の感染拡大の下でパラリンピックの選手団がやって来る。

 

第二次世界大戦の終戦後75年が経過して、民主主義がこれほど無力なものになったことに、私は愕然とする思いでいる。そんな中、明日、国会は閉幕する。