今日は第3次の退院から数えて6日目となり、この先、第4次の入院となる4月上旬まではまだ2週間ほど時間がある。
そこでしばらくは、病気や入・退院というテーマに囚われず、書き留めておきたいことを自由なテーマで書くことにしようと思う。
ということで今日は、私たちの身近にある商品について、私が気に懸かったことを書き留めておこうと思う。ほとんど〝難癖〟や〝言い掛かり〟に近い話かもしれないが。
それで「雪印メグミルク 特濃」のパッケージである。「雪印牛乳」は、かつてトップシェアだったが、2000年に発生した例の食中毒事件によってブランド価値を大きく損ねた。
さらに子会社の〝産地偽装〟問題も生じて、かつての雪印ブランドは、バターやチーズなどの乳製品は残ったけれど、雪印という牛乳のトップブランドが市場から姿を消した。
その後、北海道酪連などが母体となり、「メグミルク」という新たなブランドによって再出発を図ったが、ライバルの明治乳業がトップシェアとなり、森永・江崎グリコなど有力なメーカーもあるため、メグミルクは伸び悩む構図になっていた。
それで経営統合によって、2009年にあらためて「雪印メグミルク」というブランド名に変更し、再々出発を図ることになった。
ここまでは、かつての有力ブランドの再生ストーリーとして〝ある話〟だと思う。だから雪印としても、トップブランド目指して〝夢よ、もう一度〟ということになる。
そこで「雪印メグミルク 特濃」というブランドのパッケージの、「注ぎ口」が私には気になるのだ。写真を見ていただくと、他のメーカーとの違いは一目瞭然でわかると思う。
他の1ℓパックの牛乳だと、上面を左右に押し広げ、さらに接着面を引きはがすようにして〝鳥のくちばし〟のような形状の「注ぎ口」を作る。
その点、雪印メグミルク 特濃」は注ぎ口のキャップをねじって、まるでビンのふたを開けるように丸い注ぎ口を開ける。だから、とても簡単に注ぎ口ができてしまう。
これは〝新しい発想で、よくできている!〟と思われるだろうか。こんなことは、他のメーカーだって簡単に発想するだろう。いつでも作れることぐらい、わかっていたはずだ。
ではなぜ他のメーカーは、そうしなかったのだろう。当然、製造コストという問題があることはわかる。こうした「注ぎ口」にするのは、明らかにコストアップ要因となるだろう。
だから他の大手メーカーは、あえてこうした工夫は採用しなかったということも、十分にあり得ることだろう。それでも〝これを採用する〟という選択肢だってあったはずだ。
しかし私が気にするのは、パッケージの「説明書き」に書かれているように、注ぎ口のキャップは「プラスチック」であり、プラスチックの〝受け側〟もそのまま着けたままで、古紙回収に出していいという部分だ。
たったこれだけのことかも知れないけれど、なぜ今、あえてここにプラスチックを使用するのだろう。きっと、この部分のコスト負担にも耐えながらの決断だと思うが。
世間全体の流れが、プラスチックの使用を減らそうという方向に向かっているときに、しかも良質のリサイクルペーパーが作れる牛乳パックに、無理にプラスチックを混在させる。
なぜそうする必然性があったのだろう。これが不思議に思えて仕方がなかった。もちろん、これが差別化なのだと言われたら、〝そうですか〟としか応えようはない。
環境大臣の小泉進次郎氏は、「大半のプラスチックが石油からできていることは、あまり知られていない」などという能天気な発言をしたらしい。
たったこれだけのことなのだけれど、この企業姿勢が私には理解ができなかった。そこまで差別化して、目立たなければならないほどのことなのだろうか。
こんなことにこだわるのは〝難癖〟だと思うし、爺さんの〝いちゃもん〟だと思う。第一、嫌なら買わなければいいのだし、売れなければ無くなるだろう。
だけど、気になったのだから書いておこうと思う。この一文が、万一にもメーカーの方の目に留まれば幸甚なことだと思う。