新語・流行語大賞は「3密」だったけれど、それ以上に | がいちのぶろぐ

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やはりと言うか、昨日発表された今年の「新語・流行語大賞」の「大賞」は「3密」に決まった。

 

私は一昨日、「冷静に流行の度合いを尺度として考えれば、『3密』という言葉は〝新語〟であるという視点も含めてトップに来るべきかも知れない」と書いた。その通りになったとしか言いようがない。

 

 

 

私自身は一昨日も、「『おうち時間/ステイホーム』という言葉は、今年の〝世相〟の中でもまだ温かさが感じられる」と書き、この言葉を〝推して〟いたが、トップ10にも入らなかった。

 

星野源さんの楽曲も含めて、「おうち時間/ステイホーム」という言葉は、ある意味で今年の世相をよく表していて、なおかつ温かみもある言葉だと思っていたのだが。

 

現状でもなお、〝ソーシャルディスタンス〟をとって暮らすことが求められている状況から考えれば、やはり「3密」が世相をもっとも表しているのだろう。

 

トップ10になったのは「3密」の他には、「愛の不時着」「あつ森」「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「鬼滅の刃」「Go Toキャンペーン」「ソロキャンプ」「フワちゃん」という9個の言葉だった。

 

3密」をはじめ「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「Go Toキャンペーン」と新型コロナウィルスと関連した言葉がトップ105つも選ばれたのは、今年を振り返れば仕方がないことだろう。

 

何よりも、コロナ禍は収拾のめどが立つどころか、まだ猛威を振るい続けている。我が家でも、千葉都民の娘の家族は夏の帰省が見送りになり、「オンライン帰省」になった。

 

現状では、お正月もとても帰省できる状況とは思えない。再び「オンライン・クリスマス」と「オンライン帰省」になりそうな気配だ。

 

そんな中で「鬼滅の刃」の映画の興行収入は、過去最高になりそうな勢いになっているという。こちらは、原作漫画もアニメも映画も見ていない私には、良いのか悪いのかはわからない。

 

 

 

ところで、「3密」という言葉に対して、報道では『2020ユーキャン新語・流行語大賞』の審査員の一人である、言語学者の金田一秀穂氏が面白い論評を加えていた。

 

金田一氏は、「“3密”は健気な日本語である。結婚の条件としての“3高”。大変な肉体労働を表す“3K”。いくつかある大切な項目をまとめる言い方が日本語にはあって、得意技ともいえる」と言われていた。

 

金田一氏が言われている〝3高〟は、結婚相手の条件とされた「高学歴・高収入・高身長」の3つだし、〝3K〟は「きつい・危険・汚い」をローマ字で表した場合の頭文字だ。

 

「三大〇〇」とか「3△△」といったように、3つのものを集めて代表させるというのは、日本語で良く用いられる言葉のテクニックである。

 

「日本の三大祭」と言えば、「東京の神田祭・京都の祇園祭・大阪の天神祭」の3つを指すし、「日本三景」と言えば「松島・天橋立・宮島」、「三名園」なら「偕楽園・兼六園・後楽園」という具合である。

 

 

 

厚生労働省が呼びかけたころはそれほど広がらなかった「3密」という言葉も、小池・都知事が「殺到する報道陣に“密です”を連呼したこと」が報じられると、「ネット上で話題と」なって、広まっていったと新聞記事で解説されていた。

 

たしかに〝「密集」「密接」「密閉」は避けましょう〟と長ったらしく言うよりも、〝「3密」は避けましょう〟と言う方が、日本人の言語感覚には合っていると思う。

 

こんなことは私が書くまでもなく、昨日以来のニュースや新聞記事でご存知のことだと思う。

 

もう一方で面白かったのが、「フワちゃん」がベスト10入りしたことだろう。今日のワイドショーでも、元気いっぱい画面に現れて「フワちゃんだよ~」と弾けていた。

 

 

 

新聞報道などでも、ツィッターに「『フワちゃんが流行語大賞になったよ!あたしが今年のリーダーだ』と授賞式の様子とともに喜びをつづった」という記事も見られた。

 

今年の初めごろだったと思うけれど、深夜のテレビのバラエティ番組に「オハピョ~ン」という大声とともに登場し、そこからあれよあれよと言う間に人気者になっていった。

 

誰とも〝ため口〟で話し、自撮り棒に着けたスマホを持って、スタジオにいる誰彼なしに一緒に写真に納まってしまう。とにかく型破りのタレントだ。

 

もっとも、〝ため口〟を聞いていて、唯一怖くなって〝敬語〟で話したのが、バイオリニストの高島ちさ子さんだった、というエピソードを話していた時には、思わず爆笑した。

 

高島さんには、その時に本当に殴られそうになった、と言っていた。あの〝フワちゃん〟をもってしても、高島さんの〝にらみ〟はよほど怖かったのだろう。受ける話だった。

 

ただ、この「新語・流行語大賞」に入ったタレントは、翌年には消えるというジンクスがある。かつて「ワイルドだろ~」という言葉が流行した〝すぎちゃん〟は、収録中に大ケガもしたけれど、今ではさっぱり見かけなくなった。

 

〝フワちゃん〟もこのジンクスのように消えてしまうのか、それとも、これからもテレビ画面の中ではじけて活躍できるのか。

 

バラエティ・タレントは〝目新しさ〟という商品価値を消費され尽してしまうと、一瞬のうちに飽きられて、消えて行ってしまう恐ろしさがある。

 

その点では15年余り前に爆発的に売れた後、鳴かず飛ばずになっていたヒロシさんが、今年とうとう「新語・流行語大賞」のトップ10入りした「ソロキャンプ」でカムバックを果たした。

 

どんなところに〝幸運の種〟が落ちているかわからないものだ。私は彼の暗~い独り語りの〝自虐ネタ〟が大好きだったが、「ソロキャンプ」の方はあまり興味がないけれど。