生徒たち 発表会で 奮闘し | がいちのぶろぐ

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観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

今日は、お手伝いをしている高校の「総合学習」が、校内発表会の日だった。2年生の生徒たちが、教員から提示されるテーマの分野を見て、その中から各自が選んだテーマに分れ、昨年4月から様々な検討を重ねてきた。

 

 

 

私がお手伝いをしている分野は、「嵯峨・嵐山地域」をフィールドとして、そこでの「自然・文化環境の未来像を考える」というのが、大きな枠組みである。

 

今年度、このテーマを選んだ生徒は22名だった。それで、45名を一つのチームとして、5グループを作ることになった。最初は、図書室にある資料などから、各自が「嵯峨・嵐山」という有名な観光地とは、どういうところなのかを調べるところから始まった。

 

 

 

全員が京都市内に住んでいる生徒たちだが、嵐山に行ったことが一度もない、という生徒がけっこういたり汚するという状態からのスタートだった。

 

5月には、それぞれが調べた情報を基に、「嵯峨・嵐山地域の現状での問題点」を見つけ出して、自分が考えたい方向性を、紙に書いて黒板に貼り出した。

 

 

 

 

 

それを全員が見て、共感できるテーマを書いている生徒同士が集まって、仮のグループを作り、テーマについて話し合った。その後は、その話し合いの内容を発表して、さらに自分が〝これだ″と思うテーマがあるかを確認した。

 

こうしてそれぞれのグループが取り組むテーマと、テーマごとの人数にアンバランスがあれば少し調整をして、グループ作りが完了した。

 

 

 

5月の下旬からは、グループごとに図書室やインターネットによって、自分たちのテーマに沿った情報収集を行った。その中で、最終的にテーマとした問題の「未来像」を仮に作成することになった。

 

そこから、改めてそれぞれのグループが考えた課題に基づいて、現地へ出掛けてヒアリングやインタビュー、視察などを行い、自分たちなりの現状分析を行った。この辺りで1学期が終わった。

 

 

 

夏休み中も、お盆の行事などその時でないと見られないが、資料として必要だと思うものは、それぞれのグループが見物に出掛けることもあった。

 

2学期になって、テーマごとに現状の問題点を拾い出すために、グループでディスカッションを行い、さらに現地へ行って確かめたいことがあるグループは、何度か現地に足を運んだ。

 

 

 

こうして問題点から課題を抽出し、その課題解決の方策を話し合った。その頃になれば、漠然としていたテーマが、明確な出口として見えてくるグル^プが増えてきた。

 

 

 

一方でこの辺りから、選んだテーマが現状では課題が多いので、何をすればよいかを考えてしまうというか、現地の状況がわかればわかるほど、課題の絞り込みができなくなって来るグループも現れてた。迷走が始まったのだ。

 

この間、担当教員の方や私のような授業サポーターは、議論の進行を見ながら、議論が進むように、考えるヒントを出したり、時には資料を探したりという、お手伝いをするだけだった。

 

 

 

 

2学期の終わりには、大筋で出口となる「未来像」を描く作業が、一応終了した。ただし、1つのグループだけはなお迷走が続いていたが。

 

お正月が終わって、今日の発表会に貼り出すための資料作りと、発表するべき内容の「読み上げ原稿」を作成した。迷走していたグループも、最終的には腹をくくって、発表するテーマを絞り込んでいた。

 

 

 

こうして、今日を迎えたということになる。今日は2年生240人ほどが60近くのグループに分かれて、体育館を全面的に使い、作成した資料をボードに貼り出して、それぞれが発表に臨んだ。

 

発表は1ターンが発表と質問を合わせて15分程度で、これを56回繰り返して行い、発表担当以外の生徒と1年生全員がこれを自由に見て回る。また、他校の先生方や保護者なども見学していた。

 

 

 

やはりというか、かなりシビアな質問が寄せられるケースもあり、発表を担当した生徒たちも、回答に窮する場面が何度か見られたが、大筋では上手く行っていたと思う。

 

迷走していたグループは、クラス内の発表の時に私も質問シートに記載していた点が、今日も質問に出てきて、とうとうそれには答えられないことになってしまった。その点は、やはり残念だった。

 

 

 

この先は、5月か6月くらいに、今度は海外から来られる方々を交えて、英語での発表会が待っている。そのために3学期の間に、今日貼り出した資料を英語に翻訳したものを作成し、「読み原稿」も英訳しないといけない。

 

昨年度もそうだったが、英語での発表と質疑応答は、やはりかなり緊張するようだ。英語の読み原稿を頭の中に叩き込んで、発表に臨むのだが、終わると手のひらに汗をかいていた、と話を話してくれた生徒もいたほどである。

 

 

 

さあ、今年度もあと少しで終わる。1年間付き合ってみると、随分と成長した生徒もいたし、それこそ将来が楽しみな生徒もいた。こうして、彼らも1年後には大学生へと巣立って行く。

 

今回の経験が、生徒たちの長い人生の中で、何かの役に立つようになれば良いのだが。