観光地の 明日を描く 生徒たち | がいちのぶろぐ

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環境問題と経営の接点、中小企業の戦略やマーケティング活動,
観光・伝統産業関連などについて、「がいち」が考えたこと、思ったことを書きとめてゆきます。

昨日は、午前中に所用で奈良市まで出向き、トンボ返りで京都市内に戻ってきて、お手伝いをしている高校の「総合学習」の授業に出掛けていた。それで、またブログをサボることになってしまった。

 

このブログ自体、半分は私の日記のようなものだと思っているので、無理な時には無理をしない、というスタイルで良いと思っている。読んでいただく方に、何か新しい情報や、美味しいお店、赤ちゃんやペットの愛らしくて、癒される姿をお見せできるわけでもないので。

 

だから、〝まあ、いいか″とつい自堕落になり、書くことをサボってしまうことになる。そのあたりは、自分ながら〝ダメだなあ″と思うが、無理をしないということで、これからも細く長く続けて行きたいと思う。まずは、勝手な言い訳をしておくことにした。

 

ところで昨日の午後に出掛けた、高校の「総合学習」の授業は随分と面白かった。こちらも色々と資料を準備し、それを手渡しながら、簡単な解説をしたりして、結構生徒たちに関わって行くことになった。

 

 

 

生徒たちは、現段階での自分たちの方向性について、グループごとに、まだザックリとしたものではあるけれど、現段階で考えていることの〝まとめ″を行い、そこから出発して、来週のフィールドワークでの獲得目標を考えた。

 

それをグループごとに、担当教員の方と私の前に持って来て、説明を行ってくれた。まだまだ未成熟な段階ではあるけれど、それぞれのグループが、自分たちが対象とする地区のことをそれなりに考えてみて、その先に待っている姿を想像してくれていた。

 

一昨日のブログで、男子生徒の中に〝横着さ″が出てきているようで、そこが気になると書いておいた。それが昨日、私たちの目の前で説明してくれた時に、やはり説明内容の〝粗さ″として見えたような気もした。

 

だからこちらも、つい「それは、誰のために?」とか、「なぜ、そう思うの?」といった、少し〝きつめ″の質問をしたような気がする。地元の人たちが何を望んでいるのかとか、誰のためにそれをしたいと思うのか、という〝主語や目的語″があいまいなのだ。

 

それでも懸命にその場で考えて、答えを導き出してくれていた。そうなると、その説明が終わって席に戻ると、グループ内で質問や回答に基づいて、説明に使った資料の中味を見直し始めていた。

 

こうしたやり取りから、全てが始まるのだろう。今までは自分たちで、ある意味〝適当に″作文をしておこうと思っていたところが、そこに〝ほころび″がいっぱい見つかって来たので、それを繕うというか、縫い直しを始めていたのだ。

 

この繰り返しによって、彼ら・彼女らは成長をしてくれる。あるグループは、外国人観光客が多く宿泊する公営の宿泊施設に出向いて、そこでヒアリングをしてみると言っていた。

 

また、別のグループは、防災ということと絡めて、先日の台風21号で嵐山の名所「渡月橋」に被害が出たことを念頭に、嵐山地区の商店街で、その時の様子と、行った対応策の聞き取りをするという。今なら、まだ生々しい声を聴くことができる。

 

 

 

こうした、現地の生の声から出て来る情報は、最も得難い情報である。こうした情報を、今後の自分たちが考える課題の中にどのように生かしてゆくか、生徒たちにとっての考えどころになる。それだけに、一人でも多くの人の生の声を聴き取ってきて欲しい。

 

奥嵯峨・鳥居本地区を対象としているグループは、嵐山の「渡月橋」から「竹林の小径」にかけて、現状でももの凄く混雑していることと合わせて、人を奥嵯峨に誘導したいと言っていた。〝そこ″なのである。それは、誰もが考え、願っていることだ。

 

では、〝どうすれば″奥嵯峨に人を誘導できるのか。そこを、これからじっくりと考えてほしい。嵐山の渡月橋を起点として考えると、奥嵯峨鳥居本までは、距離にして3km近くある。しかも、ずっと登り坂になる。これを来週、歩いて実感してきてほしい。

 

 

(奥嵯峨鳥居本・鮎の司「平野家」/愛宕神社一の鳥居のすぐ脇にある)

 

残るグループは〝日本庭園″や、〝庭園と苔″をテーマに考えたいと思っている。では、庭園や苔について、どれほどの〝基礎知識″があるのか、ということになる。自分たちがまず基礎的なことを調べ、フィールドワークで実物を見て、何を感じとってくれるかである。

 

日本庭園のグループは、来週のフィールドワークで、「竜安寺の石庭」に行こうと考えている。そこを訪れる観光客、特に外国人観光客にインタビューをして、日本の庭園というものの感想を聞いてみたいということだ。

 

特に欧米系の観光客にとっては、相変わらず「禅」という思想=世界観が、エキゾチシズムに溢れているので、その具体的な表現だとして「竜安寺の石庭」は人気が高い。だから竜安寺の門前で、出てきた外国人観光客から、なるべく多くの話を聞き出してほしいと思う。

 

 

 

「庭園と苔」をテーマとするグループは、やはりというか、「苔テラリウム」に興味があるようだった。このグループは女子生徒たちだけなので、こうしたインテリアとしての〝癒しグッズ″に魅力を感じるのだろう。一度、苔の生育にチャレンジしたいと言っていた。

 

 

 

さあ、来週は私もいずれかのグループのお供をして行くことになる。どのグループを担当することになるかは、担当教員の方との相談になるが、たとえどのグループであっても、こちらは見守るだけである。それ以上は口をはさまない。

 

生徒たちの安全確保と、インタビュー相手やその地区・場所に失礼がないように、それだけをチェックすればいい。後は、彼ら・彼女らの努力次第である。それも、あえて口出しはしない。心の中でもっとこんなことを聞けば、と思っても、それは思うだけだ。

 

いよいよ来週から、この授業がますます楽しみになってくる。