ここで勝つ その思いこそ 輝きて  | がいちのぶろぐ

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羽生結弦。恐ろしい男だ。わずか3か月余り前に、選手生命さえ左右しかねない怪我を負いながらも、そして、オリンピック連覇という最大のプレッシャーがかかる中でも、堂々とぶっちぎりの優勝を飾ってしまった。

 

その精神力というか、メンタル面の強さはどれほどのものなのだろうか。普通なら、怪我をした時点で、これでオリンピックの連覇は無理だろうと弱音を吐くか、仮にオリンピックに出場できたとしても、事前に、逃げ場を作るようなコメントを言いたくなっても当然である。

 

今回はこんな状況だから、あまり期待しないで見守ってほしい、といったコメントを言ったとしても、誰もそれには文句を言わないだろう。今できる精一杯のことをやってくれればそれでよい、と言わざるを得ないから。

 

それが、試合前から強気のコメントを発し、そして本番になれば、いきなりショート・プログラムで完ぺきな演技を見せて首位に立ったと思えば、さらにフリーでも圧巻の演技で首位となり、危なげなく金メダルを持って行ってしまった。

 

苦しんだ時期もあっただろう。2か月間というもの、氷の上に立つことも叶わなかった。焦る気持ちは、誰よりも本人が一番強かっただろう。ライバルたちが活躍しているのを見ながらも、自分は黙々とリハビリや練習を行っていたのだから。

 

そして、羽生結弦という存在の大きさを、自分が真の王者であることを、本番の舞台で、圧巻の演技で世界に向かって見せつけた。その姿に対しては、舌を巻くという表現ですら追い付かないほどの衝撃を、見る者に与えたと思う。

 

この1個の金メダルは、1個という数で数えられるような類いのものではない。羽生結弦という存在の大きさに比例した、大きな1個だとしか言いようがない。これが真の王者の力なのだろう。

 

しかし足下には、宇野昌麿や金博洋といった次を狙う存在が、ひたひたと迫っている。王者とは、いつも次の存在に脅かされつつも、それを跳ねつけて行く存在なのかも知れない。

 

今回のオリンピックでは、4歳年下の宇野昌麿が11点差の銀メダルだった。羽生結弦にとって、次のオリンピックというチャンスがあるかどうかは、誰にもわからない。知っているのは本人だけだろう。前人未到の3連覇を目指すのだろうか。

 

今日は、羽生結弦という人間のスケールの大きさ、メンタルの強さを見せつけた日になったことだけは間違いない。今日は、何かを書こうと思ったところで、私の頭の中がまとまるとは、とても思えない。それほどの衝撃を受けていることだけを、書き留めておこうと思う。

 

(文中、敬称を略させていただきました。)