★セール&リースバック | Dear Green Field

★セール&リースバック

不動産や固定資産などでは、よく行われる手法だ。
ついに、サッカー選手の移籍でも使われるようになったか。
売却側にしてみれば、一時的に売却収入が得られる、同じ選手を引き続き使えるなどというメリットがある。

通常のセール&リースバックであれば、ある程度の利回りのキャシュフロー(今回で言えばレンタル料)が得られるのが基本。このご時世、将来のキャピタルゲインを狙ってという投機的なものは殆どない。
(リスクを取ってくれる人がいない限り、金融機関から融資がつかない。)

今回の場合には、サンフレッチェは将来(ヴェルディが買い戻す場合を含め)高く売れる可能性が高い(=活躍する可能性が高い)と踏んで完全移籍で買い取ったのだろう。この点は翔哉を獲得したガスも全く同じだが。

で、どう見てもヴェルディ側が売り急いだとしか考えられず、条件的には買い手側に有利になっていることは想像に難くない。
それでも、前述したメリットが大きければ、売却側にとっても全く意味のないことではない。決してポジティブな意味ではないが。
それほどに、今期の(も?)収支が厳しい状況であることは間違いない。
これは、固定の大スポンサーがないという状態では毎年起きる可能性があること。J2にいる限りはなおさら。

まぁ、一方で大スポンサーにのみ依存しすぎるのも問題ではある。
「Jリーグは企業でなく地域に根付くべし」という川渕三郎的な意味ではなく、佐藤工業の経営破たんから消滅したフリューゲルス、不祥事が続いた堀越学園(松木の出た堀越とは別法人)の解散により活動停止したアルテ高崎、読売グループの撤退から消滅危機に瀕したヴェルディなど、一企業の動向がクラブの消長に直結するのは好ましくはない。
安定株主が多数を占める会社のように、複数の大スポンサー、数多くの中小スポンサーというのが理想なんだろう。

あと、シーズンチケット購入者が増えることも意味は大きい。
これは、(決して大きな額ではないが)安定的な収入が見込めるという意味に加え、スポンサードしようという企業にとっては、その意思決定を取締役会、株主総会などで説明する際の有力な材料になる。
その意味でも、シーズンチケット買い控えとかは最悪の運動としか言いようがない。
どこの企業が、クラブとサポーターが反目しあっている(真偽は別として、外からはそう見える)クラブのスポンサーになろうとするだろうか?
いくらいい学校であっても、先生と生徒の間で対立があると噂されるような学校に子供を入れようとする親はいないのと同じ。