グリーン・ブレイカーズ -9ページ目

グリーン・ブレイカーズ

 農業の現場のお話しを中心にお伝えしてます。

「水中を自在に泳ぐモグラ」を見た。
お盆休みの暑気払いということで2010年分ですが、よろしかったら。


いまから5年以上も前の2005年のこと。

夏は海よりも渓流[かわ]ということで、暑気払いに膝下ほどの清流で
シュノーケリングしていたときのことです。マスクの右手のほうから、
ヒトのこぶしほどの 長い尻尾がついた茶色いタワシ状の物体が流れに
逆らって流れてきたかと思うといきなりすごいスピードで潜水しそのま
ま岸辺の岩陰のほうに泳いでいきました。

 なに?いまのはなんだ?

と、岩陰の先までいってみると、その先には川岸。ということは、あの
尻尾のついたタワシは、いきついた岸から陸に上がって歩いていったこ
とになります。

 姿はモグラみたいだけれど、尻尾があるのをみるとネズミ?

そんな動物なんているはずもない、何かの拍子に水に落ちた野ネズミ
の死に物狂いの泳法をみせられたのかもしれないな・・と勝手に解釈
していたところ、後日そんな生物が実際に存在していることを新聞で
見て知ったのです。

それが ↓ 左下のこの小さい動物である 

長田小学校.jpg

ここ↑ ここ、ニホンカワネズミです。

そう、ニホンカワネズミとは「モグラでもなく もちろんネズミでも
ないのだが、ネズミのような尻尾と水かきのついた足を持ち、清流を
自在に泳ぎ回りながら水中や水辺で魚類・カエル・水生昆虫等の小動
物を捕食し河畔の土中や石の下に営巣するというモグラの仲間である
動物」だったのです。

この清流にしか棲まないというカワネズミ、地方によっては「水中モ
グラ」ともよばれていることを、その5年ほど前の新聞記事[宮崎県
三股町・長田小学校のやまめクラブの活動とともに]は伝えていまし
たよ[こちら]。

いやー、しかしです。
世の中って、ほんとに広いものですね。

まさか水中を泳ぐモグラというか、水中でも生活できるネズミという
か、そんな生き物がほんとに日本にいるなんて。いまではテレビで取
り上げられたり、施設で飼われてるようにもなって[ユーチューブは
こちら]結構有名になりましたが、あれがそれだと知ったときには当
時はほんとにびっくりしたものでした。

ということで今回は[マスコミに登場するのは むしろカッパよりも
少ない]ニホンカワネズミという生き物のご紹介でした。


晴れ 予備知識がないまま、たとえばカピバラやシャンハイハナスッ
  ポンに遭遇したとしたら・・・きっと “ネズミ”や“スッポン”
  の化け物[イコール妖怪]だと思い込んでしまうのも無理ない
  ことだとおもいますよ。うん。

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続・食料自給率にも多様性があっていい。
農作物には土地利用型作物と労働集約型作物があり、その作物を使っ
た土地利用型作物農業と労働集約型農業があることを、ご説明してき
ました[​こちら​]。そのうえで最近なにかと話題となることが多い日本
の食料自給率の表し方を取り上げ、カロリーや生産額やさらに重量で
表した自給率もあったたほうがベターだと述べました[​こちら​]。そし
て本日は、続編となります。

はじめに2011年の新聞記事のご紹介です。 ↓


 大型船入港.jpg 農業新聞第一面のこの写真です。

こちらは7月12日の『飼料詰み大型船入港』と言う見出しのつい
た日本農業新聞の第一面のトップ記事に使われた写真となります。

この記事のおおまかな内容ですが・・・『津波により甚大な被害を
受けた宮城県石巻港に11日、震災後初となる大型外航船が到着し
た。石巻市は東北地方の飼料380万トンの3割を占める飼料基地。
大型船での仕入れが再開したことで、安定的な飼料供給体制が整っ
た』と、いうものです。

東北地方は有数の畜産基地ですからね。この日に入港した5万トン
級の大型貨物船で運ばれた米国産トウモロコシ2万5000トンは、
飼われている家畜への安定的な飼料供給に対して大いに役にたった
はずです。ちなみに今後は震災前と同様に〔トウモロコシだけでも〕
1ケ月に一回の割合でこのような大型船による輸送が行われること
になります。

いやー、よかったですね。と、ここまでは新聞による単なるニュー
ス。これから先を考えるのが現場に居るものとしてのつとめですが・・・

そうなんです。ご存じの方も多いとは思いますが有数の畜産基地で
ある東北の家畜の餌もまた、新聞記事にあるようにそのほとんどは
外国産なのです。この事実が、

 カロリベースや重量ベースの自給率が必要な理由

となります。

そして飼料ならまだまし。 大弾幕.jpg

この写真の横断幕をもって入港を歓迎する方々が、もし仮に家畜の
エサではなくわれわれ日本人の食料を歓迎する人々であったとした
ら、どうでしょう。
今回ご紹介した新聞記事の『飼料詰み大型船入港』の飼料という言
葉を『食料』という言葉に置き換えたとしたら、どうでしょう。

 外国産飼料に頼っている日本の畜産ってだいじょうぶなのかな

と思ってしまうのはわたしだけではないはずです。脅かすわけでは
ありませんが、あと数日もたては8月15日の終戦記念日。この終戦
記念日にまつわる話として・・・私の出会ったたくさんの農業界の
先輩たちから

 終戦前後の日本のイネの収量は悲惨といってもよいほどの不作

であったというという言葉を、〔わたくしは〕何度も職場で聞かさ
れてきた過去があるのです[終戦の年の食料不足はいくつもの朝ドラ
でも描かれてきてますし]。その言葉を思い出しながら、この新聞
記事を眺めていると、どうしても『飼料』が『食料』という言葉に
見えてしまって こまっちゃうというわけです。

・・・さてさて。そのような個人的な感想はさておいて、震災前後
のとある東北の畜産農家さんについての時事通信 4月30日号に掲載
された『岩手の養鶏農家も大打撃、えさ不足で大量殺処分』という
記事をご紹介して今回のおはなしを終りにしようと思います。よろ
しかったらご参考に。↓

東日本大震災は、津波被害を免れた岩手県の養鶏農家にも大きな打
撃を与えた。地震に伴う停電や津波で、飼料工場などが操業停止に
陥り、農家は弱ったニワトリを大量に殺処分。同県の鶏肉生産高は
国内3位で、高病原性鳥インフルエンザ問題に揺れる日本の鶏肉産
業にとっても痛手となった。
陸前高田市の高台で「タカハシファーム」を運営するTさん。生ま
れたばかりのひよこを仕入れ、60日程度かけて育てた後、大船渡市
の食肉メーカーに出荷していた。「子供たちが安心して食べられる
ものをつくりたい」と、抗生物質を使わずに育てたニワトリが自慢
だった。
津波で市役所などが流された市中心部とは違い、5万羽を飼ってい
た養鶏場に大きな被害はなかった。だが、宮城県石巻市や青森県八
戸市など沿岸部にある飼料工場が被災して、えさが入手できなくな
った上、出荷先のメーカーの工場も停止。1週間は様子を見たが、
えさ不足で弱ったニワトリは病気にかかりやすいため、全て処分し
て埋めた。ひよこの購入代や飼育に使ったえさ代など被害は2000
万円に上る。岩手県畜産課によると、震災の影響で養鶏農家のニワ
トリは4月下旬までに約270万羽が死んだ。。

以上、参考としての新聞記事でした。


晴れ ほめ殺しという言葉。経済界の方々の“日本農業は強い論”を
  聞かされると、わたくしは、このほめ殺しという言葉を連想
  してしまうというのが正直なところです。

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食料自給率にも多様性があっていい。
発表された食料自給率についての2011年8月分の回となります。
過去分ですが、ご参考までによろしかったら。


農作物には、土地利用型作物と労働集約型作物があり、その作物を
使った土地利用型作物農業と労働集約型農業があることを、前回
説明しました。

そこで最近なにかと話題となることが多い日本の食料自給率です。

カロリーで表したり、生産額で表したり、さらに重量で表した自給
率もありますが・・・結論から言えば、いろいろな自給率があって
もいいと私は思います。

その理由は以下のようになります。

たとえば労働集約型作物をつかった労働集約型農業を奨励するとし
たら少ない面積でも生産額はあがるわけですから、当然生産額で計
算する食料自給率は跳ね上がります。平成21年は70パーセント
ということですので、今後の奨励政策いかんによっては、8割近く
になることもあっていいことになります。 

 国内で労働集約型農業を奨励+土地利用型作物は輸入増やむなし

という農業のやり方になりますね 〔反対に土地利用型作物を使っ
た土地利用型作物を奨励していったとすれば、土地利用型作物作物
の価格は、労働集約型作物よりも格段に安いのが現実なのですから、
生産額で計算する食料自給率は減少していくことになります〕。

さて、そこでです。

ここで 人の食べるものの種類の問題というものが、でてきます。
労働集約型作物の代表とされることの多いネギやイチゴなどを食べ
ることだけで、土地利用型作物の代表であるコメやムギ、大豆をた
べなくてもやっていけるのだろうかという基本的なヒトの食に関す
る問題です。

世界的に食料が潤沢であった時代がこれからもつづいていくのであ
れば、労働集約型作物をつかった労働集約型農業を奨励することで、
生産額で計算する食料自給率を上げていくのも良いでしょう。

しかし考えておかねばならないのは、とくにコメやムギそして大豆
の供給不安が おこったときにどうなるのかという問題なのです。
実際のところ、身近なパンや豆腐の値段がじわじわと値上がりして
いることからもわかるように、数年前よりも格段にコメやムギ、そ
して大豆の価格は上昇しているという現実があります。
そのような可能性が高い時代に〔一般の方には目新しいために注目
されがちな〕生産額でみた自給率ばかりを最重要視するというのも
いかがなものかと思うのです。

そして、ここまで説明し終えたところで、最初にお伝えした

 いろいろな面から算出したものがあっても良い

とした食料自給率の表し方についてです。

話題になっている生産額で表すという自給率もあるべきだし、従来
からのカロリーベースの自給率も大事なものだと思うのです。さら
にいえば重量で表した自給率なども、けして不必要なものではない。
大事な国民の食料に関する安全保障の基になる数字なのですから、
どれが正しくてどれがまちがっている・・・などという議論に終始
せず、いろいろな角度から慎重に検討するという意味で、いろいろ
な自給率を検討する道具としてつかっていけばよいのです。『食料
自給率の表し方には多様性があってしかるべき』だと考えていきた
い。それは日本の農業の方向性を見定める指針になり得ますから。

ちなみに農水省の食料自給率に関するページですが・・・カロリー
ベースの自給率の話しばかりではなく、生産額でみた自給率に関し
てももちろんきちんと明示してあることをお知せして、今回の話し
はおしまいです。  今回の話に興味を持たれた方、そのページは 
こちらとなりますよ 。


晴れ むしろ問題は・・・〔自給率の表し方よりも〕農業には
  土地利用型作物型農業と労働集約型農業があるという現実を
  理解していないフリをして話をしている論者や政府のお偉い
  さんがいることなのだと思うのですよね。はい。

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農作物には土地利用型作物と労働集約型作物がある。
2011年分ですが、自給率関連ということでよろしかったら。


作物には 土地利用型作物と、労働集約型作物があります。

たとえば米・小麦・大豆といった作物が典型的な土地利用型作物で
す。機械化の面からいえば、栽培に関する作業のほとんどが農業機
械で行える作物だといえるでしょう。だたし収益をだすためには、
いろいろな農業機械と採算に合うための広い土地が必要になります。

反対に、栽培に関する作業の大部分が機械化するのが困難な作物が
あります。たとえば葉もの類であればホウレンソウ・ネギといった
葉もの類、果菜類であればキュウリ・大玉トマト・イチゴにメロン、
そしてお花などです。これらを労働集約型作物といいます。
こちらは農業機械はさほど必要ありませんが、機械化出来ない部分
に投入する労働力が必要となります。

そしてこの2つのタイプの作物のうちの平均な年の価格を例にとり、
数字で表すと、次のようになります。

作物  労働時間/10a  農業所得/10a  労働農業所得/1時間

 コメ  29.2時間     32067円    1100円
 大豆  10.1時間      1595円     176円
 ↑↓
 ネギ 1254.3時間   885000円     706円
 メロン 3100時間   3546000円    1278円


どうでしょう、農業で生産する作物というくくりでは同じ作物なの
ですが、その実態はまるっきり正反対なものだということが、おわ
かりになりませんか?

このような作物の栽培の実態と、その経営の実態を認識したうえで
なければ農業改革論を論じられません。どの作物を扱うかで方法論
も結論も、理想とする農業の姿が変わるわけですから。

そして・・・なぜ日本には土地利用型作物を使った農業や労働集約
型作物をつかった農業といった、いろいろな農業が存在するのかを
説明してお話はおしまいです。

 日本は南北にながーい山国。それゆえに地形も気象も多種多様

これが日本にいろいろな農業〔と、いろいろな自給率〕が要る理由
です。


晴れ 土地利用型と労働集約型。この作物の違いが、カロリー
  ベースでみる自給率と金額べースでみる自給率の違いの
  話につながっていくというはなしが 次回へ。。

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台風の進路が決まらないと風対策もままならない。
台風のもたらす風。 それは台風の速度が遅い場合は、作物により大
きな影響をもたらします。

10キロ以下の進行速度になるとか停滞する といった状況になると
おおごとです。なんといっても作物がたとえば48時間とか60時間
といった非常に

 長い間、強い風に晒されつづけることになる

わけですから。当然のことながら枝の張った果樹などでは倒伏したり、
枝が折れたりといった状況になることも珍しいことではありません。
また定植したばかりの作物では地下部が充分に発達していないために、
作物の根が土から抜けて強い風にのって飛んでいってしまうことも稀
なことではなくなります。。

また もうひとつ。
そんな台風の風被害を大きくする要因があります。それは

 台風の風は、風向きが変化していく風 

であることです。たとえば南の方向からやってきて北上していく台風
の場合は、台風の進行と通過にあわわせて 

 南風 → 東風 → 北風 → 西風

といった具合に、強い風の向きが 時間とともに変化してく。これ
は風を避けることができない露地の作物にとってはきついことです。
なんといっても風向きがかわることで、風を受けている体が結果的に
が回転させられることになるわけですから。
たとえば葉もの野菜の場合などでは、この変化する風のためにからだ
を回転させられつづけた結果、根元の茎の部分がねじ切られてしまう
こともままあります。それは人の手一抱えもあるおおきな樹木さえ同
様です。この風の変化に耐え切れずにぼっきりと折れてしまうことも
あるのです。

さらにもうひとつ。

 台風の気圧が低い

という事実があります。 この気圧の低さが被害を助長します。
たとえばビニールハウス。 しっかり風よけをしていたたとしても、
ハウスの内外の気圧差[そのためにうまれる上昇気流] のために、
ハウス全体が浮かび上がることでやられてしまうことがあります。
この場合は現実的にはハウスに設置された換気扇を動かすことによ
って[ハウス内の空気を排気し・ハウス内の気圧を下げることで]対
処しますが・・・・もし不運にも停電などの事態に陥ってしまうと
換気扇が動かせないことで被害にあう。

などなど、今回は台風が作物に与える風のこわさあれこれについて
のおはなしでした。

おりしも台風6号です。なかなかコースがさだまらず、どちらかの風
が強く吹くのかがよくわからず風対策のやりようが決まらない
いう状況がつづいていました。が、ここにきてようやくコースも定
まって数日後には九州上陸が予想されるようになってきました。

コースを変えてとまでは言いませんから、せめて素早く通り過ぎて
ほしい。と、いま心から願っているところです。


晴れ 台風の南風にはつよい自然界の樹木も、急に向きを変えるという
  変則的な動きをする台風の北西からの風には意外にもろい・・・
  という現実もあります。台風の進行方向におられる皆さまにおかれ
  ましては充分なご注意を。



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