これから先の微量要素欠乏を予防するために。 | グリーン・ブレイカーズ

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 農業の現場のお話しを中心にお伝えしてます。

これから先の微量要素欠乏を予防するために。

前回は 果実の形から作物の直面する樹勢への影響を推察したわけです
が・・・今回は そのような状態をあらかじめ予測して予防する方法に
ついての回となります。
ということで、たとえば春先に乾燥するとどうしてもおこりやすい石灰
欠乏などを事前に見越して、あらかじめ石灰などの資材を施しておく
いう話しになります。

写真を使って説明すると、こんなかんじになりますよ。


 硫酸石灰+腐植に糖蜜.jpg


マルチのかけられたトマトハウスの


 めくれるマルチ.jpg


マルチをめくって


 チューブのあるほう.jpg


かん水チューブのそばに


 拡大 カルミ.jpg


10アールあたり60キロ/3袋のカルシウム資材 を散布しておき
ます。

この写真で、かん水チューブの脇に 黒っぽい粒状のみえるものが 
そのカルシウム資材で、 この資材は 追肥につかえるように

 作物の根にもやさしい微酸性

となっていますよ〔商品名はカルミタス といって、その成分は硫酸
石灰+糖蜜系の有機+腐植となります
〕。
毎年春先の石灰欠乏に困っているのだが・・・といった質問を農家さ
んから受けた場合には、私は、まずはこの方法を〔おおむね30年近
〕おすすめしています。

ちなみに ふつうは石灰といえばアルカリ性の強いもの ということ
になりますけれど、アルカリ性の強いものは 作物の根を痛める場合
もありますので、価格が高くなりますけれど ここはやはり 微酸性
が おすすめです[肥料の価格差って こういうところから発生して
もくるんですよね]。


晴れ 苦土石灰に消石灰に生石灰などといった、主として植え付け前の
  ほ場の酸度矯正につかう石灰資材とは別に、追肥用としての石灰
  として、今回ご紹介した微酸性の硫酸石灰や 即効性の硝酸石灰
  などがあります。・・・などとはいったものの初めて聞く場合は
  なかなか憶えにくいですよね。みんな石灰という言葉がつくので
  すから。
  これってまるで ​川崎市​の武蔵中原・武蔵小杉・武蔵新城などの
  ​駅の区別​みたいな話ではあります/笑。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染