昔話ふうに/「本当は危ない有機野菜」 | グリーン・ブレイカーズ

グリーン・ブレイカーズ

 農業の現場のお話しを中心にお伝えしてます。



昔話のおきまりですね、山へ行くおじいさんと、川へいくおば

あさん。そうです、昔は山と川でいろいろなものが手にはいっ
たのです。食料や肥料に燃料、それに工芸品の材料など生活に
必要なものはほとんど山や川で手にはいったのです。

桃太郎を少し説明してみましょう。

たとえば、おじいさんのおこなう「柴かり」。これは芝生を
かることではありません。
このおはなしのなかの柴とは、小枝や木のこと。おじいさんは、
料理をしたりお風呂をわかしたりするときにつかう燃料を山に
とりにいっていたのです。そしておじいさんはいろいろな木を
植えた「雑木林」や材木用の山をつくり、そこから炭の原木や、
紙の材料となる木、家の材料となる木などを手にいれていたに
ちがいありません。

おばあさんもそう。川の水は洗濯だけではなく飲み水や料理を
するときにつかえましたし、川の流れは粉をひく水車の動力や、
さらには交通手段としても使用されたのです。
それだけではありません。「かぐや姫」のおじいさんは竹山を
つくり、世話して、その竹山から取れる竹で、おはしやカゴや
ザルなどといった竹でできた道具をつくっていました。そうそ
う、もちろん春にはおいしいタケノコももちろんたべていたこ
とでしょう。


このように、ひとびとの生活を支えてきた山や川のある場所は、
里山(さとやま)とよばれ大事に管理されてきました。そして、
その里山につながったひとびとの暮らす場所や田畑を、われわ
れ日本人は里地〔さとち〕と、よんできたのです。

ヒトの作った里地と里山には、畑や水田やしっ地、ため池、草
地、落葉広葉樹林などのさまざまな場所が作られ、そのさまざ
まな場所にはそれぞれの場所に住むたくさんの動物や植物がヒ
トとともに生活していました。カチカチ山のウサギやタヌキ、
サルカニ合戦にでてくるサルやカニ、そしてそのほかのむかし
ばなしにでてくるたくさんの生き物たちです。そこには美しい
森と清らかな水の流れがありました。牛や馬といった家畜も、
田畑を耕す労働力として、家族同様に里人に大事にかわれてい
たものでした。 まだ、つづく・・・。


ソフトに語ると、こうなります。
でも、昔話って ホラーでもありますよね。
この本の本質はそんな話なんです。