【グリーフとは】
 
喪失体験による哀しみや嘆きに伴う反応のこと。
ただかなしいではなく、心も体も含めた反応。
 
 
 
 
 
 
ダギーセンターのFBで紹介されていた記事
「愛する人を失ってわたしの世界は変わった」
ビーニー・フェルドスタインさん(俳優)
きょうだいを亡くした俳優さんの言葉です。
 
 
耐え難い。グリーフはただただ耐え難い。
わたしのなかからあふれだし、こぼれおち、言葉にならない。
グリーフによる傷跡。
それは耐え難いまでに鋭い。
 
 
1年前、ジョーダン・フェルドスタインが突然この世を去った。
優しくて知的で愛情あふれる彼は、父であり息子であり、わたしの大切な兄。
多くのものをもらった。私の名前をつけたのも兄。
 
 
この1年でわたしが学んだことは無限の広がりをもつ心の存在。
絶え間なく続く耐え難い痛み。
 
わたしのなかから流れ続け、グリーフのプロセスは心臓の鼓動とともに心のなかで共鳴を繰り返す。
グリーフは終わりなきプロセス。
決して終焉を迎えることはない。
 
 
突然目の前に眼鏡があらわれた感覚。
その眼鏡は外すことができない。永遠に。
グリーフの眼鏡を通して見える世界はこれまでとまったく違う。
生々しく鮮やかで存在感に満ちている。
荘厳でありつつ痛みを伴う。
 
ときにはグリーフの眼鏡をずらして以前と同じ風景を見ようとしても、これまでと同じになることは決してない。
 
 
想像もしなかったグリーフの経験。
それは視点の転換。
痛みをたたえた世界の深さに気づくと同時に、喜びと感謝に満ちた活気あふれる光景に息をのむ。
この対照的な2つの世界のありかたがわたしのなかで一つに交わる。
わたしという存在がさらに広がる経験。
 
みずから欲した眼鏡ではなかったけれど、
わたしが存在している広大な世界の複雑なありようを
理解するちからを与えてくれる。
 
 
そして同じ眼鏡をもった人に出会ったとき、瞬時に感じるつながり。
抱えている痛みを理解し合えるだけでなく、人生のありかたがすっかり変わったという共通点。
それは、感情的な相互理解をこえた、哲学的な人生観の共鳴感覚。
 
 
これまでと同じ世界で生き続けることができるならば、わたしはなにを引き換えに手放すだろうか。それは不可能なこと。
 
唯一わたしにできることは、グリーフの眼鏡を通して見える世界をポジティブに受け入れること。
それは一瞬一瞬感じる愛情、平穏、感謝の気持ちを丸ごと感じること。
視点の転換で得たものは、いまここに存在するものへの
深い感謝。
 
 
1年前。兄が死んだ日。
わたしはあるグループに自分が新しく加入したことに気づいた。
あってほしくない、けれどもこれまでもずっとあったグループ。
喪失を経験してみないと存在にすら気づかないグループ。苦しみやつらさ、困惑をかかえた人がグループのメンバー。
それは人間としての視野を広げてくれるコミュニティ。もしあなたもこのグループに加入したのなら、あなたは一人じゃない。
わたしもその一人だからわかる。
 
今でもできることならグリーフの眼鏡なんて捨て去り、すべて夢だったらと思うけれど、わたしはこの眼鏡が与えてくれたことを受け入れようとしている。
 
それは暗闇も輝きもあわせもつ人間の
いとなみの豊かさを抱きしめるということ。
 
 
英語原文はhttps://bit.ly/2IIimnm 
日本語はグリサポせたがや的超意訳バージョン。