今日は、ポツリポツリと雨模様にもかかわらず、コッペパンをお求めのお客様が
たくさん来て下さいました。
ありがとうございました。m(__)m
私は、閉店後に、あんこ炊きをしました。
当店では、まず、大きな餡煉り器で、じっくり炊いていきます。
100%北海道小豆を使用しています。
こんな感じです
それを、更に小分けして、コッペパン用に、私が炊いていきます
鯉が口を開けているような穴がありますが、
これは、沸々と煮だっている状態です。
周囲から火が通り、次から次へと、こちらに向けて“あんこの射撃”が続きます
当然、熱いです
ものすごく・・・・・・。
和菓子屋さんは、たいへんだ・・・・。
と、思いきや、
これに似た作業が、洋菓子屋さんにもあります。
なんだか、おわかりですか?
そう、カスタード炊きです
ちょうど、長男が、いま、素晴らしいシェフの元で修行させて頂いているのですが、
「カスタード、めっちゃはねてくる」、と言っていました。
美味しさのため、美味しさのため、と炊けば、熱くないんだよ。
と、私は心の中で言いました
そう、いま、思い出しました。
嫁に来た頃、美味しいあんこを作り出してやる!
と、大きな餡煉り器と、大きなヘラで、手であんこをかき混ぜていた事があります。
毎日毎日、餡煉り器にはりつき、もちろん高温ですから、汗だくです
首にタオル巻いて、化粧は全部とれるは、Tシャツはびしょぬれだわ・・・・。
通りがかった材料屋さんが、
「今日も炊いてるね~」とか、
「なんで、そんなに頑張るの?」とか、笑顔で言っていきました。
※我々の業界は、工場内に、材料屋さんが注文を聞きにきたり、
材料屋さんが直接、材料を倉庫まで運んだりするのが当たり前でした。
今は衛生面の都合から、そのような慣習もだんだん薄れつつあります。
材料屋や問屋は、和菓子屋の職人長、パンの職人長に、洋菓子の職人長と、
それぞれ各部門の職人のリーダーに直接聞きにいき、注文をもらっていきました。
なので、あとで伝票や請求書を見て、
「なんでこんなに高い材料仕入れたんだ~!?」と、
経営者が慌てることも、しばしばありました。
昔は、問屋はとても大切な存在だったと思います。
東京では何が流行っているのか?
このような菓子には、どんな小麦粉が合うのか?
よその店の景気はどうなのか?
などなど、自店の外の様子を、問屋に教えてもらっていました。
問屋は、同じ業界内を渡り歩いているから、何でも知っていました。
工場の中に、早朝からこもっている職人にとっては、それは色々聞きたいでしょう
あの人に、いろいろと聞く、問う。
問われる人。
だから、問屋と言うのではないでしょうか?
問屋が運んでくるのは、材料だけでなく、世間の情報も一緒に持ってきたんですね。
今では、情報は、そう、みんなが今のぞいている、インターネットから、ですものね。
問屋さんが問われることが少なくなり、人とのコミュニケーションも減りました。
便利だけど、なんだかさみしい時代になりましたね。
話がだいぶそれましたが、
息子よ、カスタード炊き、がんばれ
私も、あんこ炊き、がんばる
熱い戦いを終え、美味しく炊けた、自家製あんこは、アンバタに使われます
ちなみに、あんこ嫌い、という方にも是非食べて頂きたいです
なにを隠そう、この私は、嫁に来るまで、あんこ嫌いでした。
そこで自分にも食べられるよう、甘さを見直し、豆も見直しました。
小豆の風味が豊で、さっぱりした甘さで、みずみずしい美味しさです
それから、小豆はとても体にいいんですよ
ぜひぜひ、食べてみて下さい