山根一仁さん、というバイオリニストのリサイタルに行きました。

「という」などと言い方をしているのは、ピアニストの方に興味があってチケットを買った、というのがありました。

お二人とも知らない演奏家でしたが、ピアノの小林海都さんが室内楽のコンクールで数々の賞を取った方だ、ということで。

 

疲れていたので、途中で寝ちゃうかもしれない・・・と不安にもなりつつ出向いたのですが。

全然!眠くなんかなりませんでした。

 

1曲目のモーツァルトは「ふぅん」って印象でしたが。

2曲目のクライスラー、愛の喜びは、ヴァイオリンが良く響く曲だなぁ、と引き込まれで行き・・・

モーツァルトだけ18世紀の作曲家、他は20世紀の・・・なんてリサイタル開始時の解説(MCがいるリサイタルのシリーズです)を聞いていたのでしたが、

その後の、武満徹、ラヴェル、ショスタコと耳が釘付け!

・・・ここまでで疲れちゃって、寝たりはしませんが最後のバルトークはちょっと集中欠いて聞いてしまったというか、ショスタコでお腹がいっぱいになっちゃって。

 

一度聴いて分かるような曲じゃないので、分かったのか?と訊かれたら、ハイとは言えないですが、面白かったんです。

4拍子→5拍子のフレーズがピアノで聞こえたと思ったら、すぐヴァイオリンが同じリズムで返事をしてる、とか、バイオリンの表情も喋るような部分があったり、激しい超絶技巧に目を見張ったり。

ショスタコは政治的な圧力を掛けられながらの音楽活動に苦しみつつ・・・という影の部分があるのは承知していても、やっぱり、その鮮烈さにはそんなものを超えた圧倒的な魅力があるというか。

 

ピアニストは、どソロの部分では間違いない実力を発揮しつつ、他の部分では見事にバイオリンを引き立て音楽を盛り立て、うーんプロです。

いやいや、思いがけず良い時間を過しました。