期待に夢膨らませ、
どんな素晴らしい人達が所属しているのだろう。
私よりずっと綺麗な人がたくさんのいるはず。そう思って、ワクワクドキドキし ながらレッスンへ向かいました。
衝撃でした。
はあ?これがモデルや女優、歌手を目指す人達?何ここ⁈
鏡が自宅にないのか?と疑うほどのビジュアル。パーツは仕方ないにしてもお肌の手入れくらいしたら?顔洗ったの?
こんな小学生でも読める漢字が読めないの?
簡単な計算も何度丁寧に説明しても理解できない。
ここに高いお金を出してレッスンを受ける前に自宅でやることあるでしょう?
そんな人達の掃き溜めのような事務所でした。
つまりそこはオーディションなんて形式だけで所属登録費用(当時49000円)と毎月の所属管理料(当時3150円)を搾取するのが目的の事務所でした。
そこに所属していた人は他の芸能事務所のオーディションにどこも合格せず、そこだけ合格したから所属したという人の集まりでした。
だから、事務所も積極的に制作会社を回って仕事をとってくる営業よりも、あちこちにタレント、モデルなどの応募の宣伝をして、身の程知らずのおバカさんを釣り上げてる方が楽に稼げるので、大したお仕事は流れてきませんでした。
それでも唯一、良かったことは、
レッスンが充実していたことです。
現役のアナウンサーや、情熱的な役者さん、ヴォーカルトレーナーなどを講師に招いて内容のあるレッスンをしてくれました。
もちろん、1レッスン1.5時間3150円払います。
私が演技に目覚め、スキルを上達できたのも、この事務所のお陰です。
一番初めに、ここに所属したことはラッキーでした。
ただ、自分のスキルが上達してくると、一緒にレッスンを受ける人達とのギャップが受け入れ難くなってしまいました。
特に役者を志望しても、そんな仕事が流れてこない。パイプがない。
いつまでも、ここに居ても時間だけが経過していく虚しさに、不安が募ります。
事務所を移籍することを決意しました。
所属していた事務所には内緒で、演劇に力を入れている事務所に応募しました。
そこは大手の事務所です。
芸能界で活躍しているタレントさんもたくさんの所属しています。
オーディションに受かりました。
それも特待(所属経費免除)としての登録です。
しかし、この大手で業界でも知名度の高い芸能事務所が実はとんでもない事務所でした。
私はここで半年間、時間とお金を無駄にすることになります。
つづく。