拘りのオイル・・・弱点編・・・ | TRUST はみだし広報部のちょっと言わせて!

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ハミブロをご覧の皆さんこんにちはビックリマーク


拘りのオイルもいよいよ確信に迫ってまいりました・・・


前回では「粘度指数向上剤の働き」についてご紹介したが、今回は粘度指数向上剤の弱点


ついてご説明しようと思う。


ベースオイルに配合する事によって、オイルの粘度指数を飛躍的に向上させる事のできる便利


な粘度指数向上剤だが、実は弱点がある。それは、「せん断(オイルの分子結合を断ち切ろうと


する力)」「熱」弱いという事だ。叫び


粘度指数向上剤が「せん断」や「熱」の影響を受けるとどうなるか・・それは、高温になると長く


伸びて広がる糸のような高分子鎖が切断・破壊されてしまうのだ。そうなった場合、高温時の


粘度上昇作用が低くなってしまい、結果として高温時の粘度が低下してしまうという事になる。


(どのくらい低下してしまうかと言うと、例えば粘度グレード60番のオイルが、40番まで下がって


しまう事も珍しくない。)



ちなみに、一度切断・破壊された高分子鎖は、冷えても元に戻らない。 ドクロ そればかりか、油中で


スラッジの原因となってしまうのである。


これを読むと粘度指数向上剤を使っているオイルはダメなオイルと思われてしまう方もいるかも


しれないが、そういう事ではない。低温域から高温域までマルチに使用できるワイドレンジなオ


イルを作る事ができるし、コストパフォーマンスの高いオイルを作る事もできる。



要は、オイルに対してどのような性能を求めるかによって、オイルの作り方も変わってくと言う


事である。



今回のスイフト専用オイルは、タウンユースはもちろん、スポーツ走行を前提として開発しており、


高温・高負荷時における熱ダレ・油圧低下現象には、充分すぎるほどの配慮をする必要がある


と考え、粘度指数向上剤を配合しない、いわゆる「ノンポリマー」処方を作り上げる事としたのだ。



念の為記しておくが、今回のスイフト専用オイルは、粘度指数向上剤を配合していないからと


言って、粘度指数が低いという訳ではないし、高温特性ばかり重視して、低温域が弱いという


訳でもない。元々高い粘度指数を持つ合成ベースオイルを使用しているため、低温時には滑


らかで、高温時にもタフなオイルに仕上がっているし、低温流動点という部分で見れば、流動


点降下剤という添加剤を配合していないにも関わらず、-55℃という低温流動点を達成しており、


寒冷地でも安心してご使用いただく事ができるグッド!



ちなみに、ノンポリマーのメリットはスポーツ走行だけで発揮されるのではなく、街乗りをメインに


されている方にもお薦めである。


粘度指数向上剤が劣化すると、それ自体がスラッジの原因になる事はすでにお話ししているが、


添加剤の劣化によってオイル自身が汚れてしまう要因を排除し、粘度低下もしにくいのでロング


ライフに使用できるのである。にひひ