たまにはアクセルベタ踏みで! | ザックの『押してもダメなら弾いてみな!』
さて、音の響きにくい披露宴会場で1曲演奏するに当たって、大音量でズケズケと鳴らす練習をすることになった。
これまでレッスンで自信の無い個所の音が小さくなることを指摘されその都度、音を大きく出すよう修正したことは何度もあったのだが、フルパワーで弾いたのは最近では覚えがない。
かなり前になるが、フルパワーで弾いたら圧が大きすぎてギリギリと音が潰れてしまったという事がある。
その時は音が潰れる手前のギリギリのところを狙えるように引き続きボウイングの練習していこうという事であまり突っ込んで練習はしなかったのだった。
どちらかと言うと最近は音程やブルブルの改善に比重をおいた練習をこなしてきた。
それでもまあ、基礎的な練習も重ね現在に至り今では音が潰れるかどうかの境界をだいぶ把握できるようになってきた感触はある。だがしかしフルパワーのボウイングがどんなものになるかは弾いてみなければわからない、という状態だ。

そういえば以前先生に聞いたことがある。練習には2種類あると。
ひとつはこんな風にしたい、と目標のイメージを定めそれに向けて詰めていく練習。
そしてもうひとつは、イメージの外を強引に経験すること。

前者の練習は自分でここまで、というラインを決めてしまいがちでその先になかなか進めないという。
そういう場合、後者の練習でラインの外から引っ張り上げる的な効果を狙うようだ。
そんなんいけるんか?!みたいなものをやってみて、そんなんもいけた!ヘ(゚∀゚*)ノ
と上手くいけばなるのだろう。
今やろうとしてる練習はまさに後者の練習。
どうなるかわからん領域のパワーでボウイングをしたらどんな結果になるか経験してみるっていう。
右手に集中できるように簡単な音階で練習をする。
では、100%のフルパワーで弾いてやる!
はいだらー!!ヽ(`Д´)ノ
と、気合一閃フルパワーボウイングをぶちかましてやったところ、
ブベベベベベ!
と弓が暴れる暴れる。

ここ最近やっとこさ弓がブルブル暴れるのが収まってきたかなと若干の自信がつきかけてきたのをぶち壊すほどにやっぱりブルブル暴れまくる。
ありゃ、これまでの練習は結構ぬるかったかな(・・;)
と、ちょっと怯みそうになった。
だがしかし、おっさんは焦らない。

これまでの練習は決して無意味ではない。
弓が速いか遅いかの違いだけでブルブルの対処法は同じはず。
要は力のつりあいだぜ。
パワーアップしたらしたなりに上下方向の力をつり合わせるように調整する!
というわけでくっつく波紋だ!ヽ(`Д´)ノ

~♪

おお、やっぱり収まってきやがった!
弓を通して弦の抵抗を感じられる。どれくらいの力加減で相殺できるかがわかるようになってきた。
右腕の脱力がいい感じに作用しているのかもしれない。

そしてブルブルが収まるという事はエネルギーのロスが少なくなるということ。
現時点で最大のパワーを最大の効率でバイオリンにぶつけた結果!
肩当を通して鎖骨にまで響くほどのかつてないバイオリンの振動!

おおおおお、これは!(((゜д゜;)))
バイオリンの音や!ヘ(゚∀゚*)ノ

なんというか、一般的にバイオリンの音と言えばと聞いてイメージする音。
その音が聞こえてきた。バイオリンの胴体がよく響いているのがわかる。
なるほどこれがポイントなのか。
よし、これは良い感じ。


「その感じでしっかり音を出す練習していきましょうか。(・∀・)」
イエス!ヘ(゚∀゚*)ノ
手応えありな展開だ。
と、思ったのだがしかし
「ちなみに、家では消音器無しで弾けます?」
「いや、やはりお隣さんの事を考えると消音器はつけますね。練習は基本的に夜ですし。」
「うーん、それではあまり意味が無い。(;^_^A」

ええ~?!Σ(゚д゚;)

先生から残念な指摘を受けてしまったが、いや確かによく考えたらごもっともなのだ。
バイオリンの音を出すポイントは胴体をいかに響かせてやるか、である事がわかったが消音器の存在はこの目的に矛盾してしまうのだ。

消音器の仕組みは駒に重りを被せて振動を抑えることでバイオリンの胴体へ伝わる振動そのものを抑え、バイオリンが響かないようにして消音効果を発揮するように出来ている。
つまり、バイオリンの胴体を響かせたいのにその練習をするには胴体を響かせないよう拘束しなければならないという非常にじれったい矛盾した状況におちいるのだ!

頭文字Dに例えると、せっかく11000回転まできっちり回すのがわかったのに相変わらず8000回転までしか表示されない回転計を付けて練習するようなものだ。

消音器を外せるのは精々休日の昼間ぐらいか。
つかみかけた手応えを当たり前のように定着させるにはまだしばらくの時間が必要になりそうだった。



そして、それからほどなくして披露宴本番を迎えた。
結果、調弦でわやくちゃになりかけた事を除けば、演奏については曲目を「星に願いを」に変更して難易度も十分抑えたおかげで滞りなく完了できた。
音量もまあそれなりにズケズケと弾けたと思われる。練習の甲斐があった。
録音する事も忘れるほど緊張していたわりには上出来だったわ(°д°;)。
それにしても恐ろしいのは調弦を狂わせる会場の空調よ。
てんで合わずにすったもんだの挙句に
G線の解放弦を弾いてA線と綺麗に共鳴した時は軽くめまいがした(゚_゚i)
「巻いたら切れる。巻いたら切れる。とりあえず緩めろおっさん。」
自分に言い聞かせながら微妙に震える手でペグを回し、とりあえず最悪の事態だけは回避しようとひっし。
過去に発表会で緊張しすぎて調弦で弦を切ってしまった方を目撃したのだが、それが他山の石となった。
ところがこれがまたペグが固いの硬いの難いのなんのって。
後に参列者のなかで弦楽器の事を知る人に聞くと、鬼の形相でペグを回すザック氏に弦を切ってしまわないかと冷や冷やしていたとか。
あんな場で切ったりしたらえらい事ですわ。(・Θ・;)

とにもかくにも無事に演奏は終えることが出来た。
何よりも依頼人が満足してくれたようだったのが幸いだ。
録音を忘れたのは残念だったが。
ほっと一息。


をつくのはまた今度!

怒涛の緊急クエストはまだ終わらない!
驚異の大連続緊急クエスト!
次はゲームアンサンブルをまたもや披露宴の余興で披露だ!ヽ(;´Д`)ノ

まじで疲れましたな、このあたりは。


→ to be continued!!