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犠牲者非難/医療人類学用語辞典

http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/030608VB.html

犠牲者非難とはvictim blaming の訳語で「その人の不幸を自業自得であると非難する」という言語行為をさします。

「肺ガンになったのは、おまえがタバコを吸っていたからだ」、「性病になったのは、遊びすぎたんじゃない?」 という構図をもつ責任追及の論理で、病気になった「犠牲者」を結果的に非難することです。

ドメスティクバイオレンス(DV)、デートレイプやデートハラスメントなどの犠牲者に対して、あなたがしっかりしてなくてはいけないという慰めの主張の根拠にもこの犠牲者非難があるものがあります。

心理学における共依存という仮説も、しばしば犠牲者非難として誤用される可能性があります。

病気になるのは本人が養生しないから悪いのだ、レイプされるのはお前に隙があったからだ、というのは一見まっとうに見えますが、風邪にかからないように気をつけてもかかる場合があります。タバコを吸わなくても肺ガンになりますし、通常の性行為でも性病になることがあります。隙の有無にかかわらずレイプはつよい暴力性をもつ犯罪で加害者に100%責任があります。病気になるのは君の遺伝子のせいであっても、遺伝子の持ち主である君を責めるのは、どこか変です。

このタイプの非難の最大の問題は、病気になる原因には、個人の行動から社会による傷害までさまざまな次元があり、犠牲者非難は、そのような多様な病気の原因を、個人の道徳レベルに還元して(いわゆる「すり替えて」)しまうことです。

病者=犠牲者を非難しないのが近代医療が もつヒューマニズムの原型と思われていますが、現代社会の病者をとりあつかう現象にも、病者を道徳的に非難の対象にする現象は生きています。

 

 

櫻井MoGa閉経そらまめのやってることはまさにこれ!