【★】第二十一章 魔王との対面 【★】


討伐会議の後

オメテオスとヴィクトは魔王の宮殿についた。


魔王 シファ「よく来たな」


オメテオス「ハッ!」


ヴィクト「はい」


魔王 シファ「一連の話は聞いている」
      「両親を亡くして、辛いだろう
       ヴィクト」


ヴィクト「はい、必ず、両親の敵は討ちます」


魔王 シファはじっと、ヴィクトを見ている


(ミーナに似ている・・・面影があるな)


テンペ「魔王様、このヴィクトは不思議な力が
     あるようです。の~オメテオス」


オメテオス「はい、なんとも言葉では難しいの
      ですが、ルードフが攻めてきた時
      ミーナ様が瀕死の時、ヴィクトの
      力が開放され、ルードフを撃退し

      また、父テスクが責められた時には
      聖なる剣を出し、これもルードフを
      撃退しました」


魔王 シファはじっと、ヴィクトを見ている


魔王 シファ「うむ、魔元帥がミーナの記憶を
         読んだ後に話は聞いている」


テンペ「ふむふむ」


魔王 シファ「テンペよ、この子の資質を見てくれ」
       「デクよ手伝ってやってくれ」


テンペ「ハッ!」
デク「ハハッ!」


テンペ「ヴィクト、そこに座れ」


二人は、座ったヴィクトの額に手を当て何やら見始めた。

ほどなく、ヴィクトは眠りにはいった。


デク「聖なる光の根源は・・・テスク・・・

 テスク殿の血脈のようですね」


テンペ「うむ・・・魔は、ミーナの血脈じゃな」

    「ヴィクトがある種の興奮状態や危機的状況
    の中で、目覚めているが・・・コントロール
    するには大変な経験が必要じゃの・・・」


デク「記憶に入りますよ」


テンペ「よし、魔力と集中を高めるぞい」


デク「はい」

二人は魔力を高め、更に深い記憶へと入っていく

・・・
・・・


テンペ「むむう、もう少しなんじゃが・・・」

    「魔力が足りん・・・」


魔王 シファ「我が魔力を使え」


そういうと、魔王 シファは二人の体に自らの魔力
を注ぎ込む


デク(おおおおおお、凄い魔力だ)


デク「これは・・・」


テンペ「時の番人達の力を得ておるの~」


デク「転生の書を前世で読んだのか・・・」
   「左腕、左眼、左耳の体と引き換えに
   力、3つと交換している」


テンペ「うむ・・・」


オメテオス「時の番人って誰だ??」


テンペ「待っておれ、オメテオス」
    「気を抜くと、弾き飛ばされそうなんじゃ」


オメテオス「そ、そうか、わかった」


デク「転生の書の内容が解らんな・・・」


テンペ「場所は・・・デュリウス・・・」


ヌオ!


二人は吹き飛びそうになった。
魔王は、グッと二人を支え
静かに、座らせた。


ハアハア、はあはあ

ハアハア、はあはあ


デク 「なんて力だ・・・」
  「これ以上は、俺らの身が持たない・・・」


テンペ「うむ・・・」


魔王 シファ「デュリウス??」


テンペ「はい、デュリウスの町と・・・」


デク「それと時の番人ってのはなんです?」
   「神ですか??」


魔王 シファ「昔の伝説では、時の番人は生命の
        根源者、無限者とも言うな」

        「それらは、数百億年前の神が誕生
        する以前の伝説に出てくる4人の
        賢者だが」

        「古の伝説だと思っていた」


テンペ「そういえばの、魔王様、大賢者 アマールが
    血の禁呪を持っていた時に、アマール様の
    片足がなかったのを聞いたことがあるぞい」


デク「関係あるのか??」


テンペ「うむう、なんとも言えんの~」


魔王 シファ「ふむう、時の番人か・・・」

        「テンペよ、古文書を調べてくれ

        それと、アマールに関することもな
        なにかの記述があるかもしれん」


テンペ「ハ!解りました」


魔王 シファ「頼むぞ」


魔王 シファは、眠っているヴィクトの顔を

見ていた、まだ幼い寝顔の中に、ミーナの

幼少時代を思い出していた。


ミーナ・・・


つづく