【★】第二十章 暗黒族討伐会議 【★】


次の日、オメテオスとヴィクトは暗黒族討伐会議に
参加していた。


魔王 シファ、魔元帥 エテオトル、蒼の魔将軍 フェノ
閼伽の魔将軍 シャウキ、魔召喚士 センテオ
大魔術師 テンペ、魔術士 デク、魔闘士 オメテオス


閼伽の魔将軍 シャウキ 
「これより、暗黒族討伐会議を始める」
「今日は魔剣士4名は、他の用事があるゆえ参加はできぬ」


魔元帥 エテオトル「ワカッタ、ハジメテクレ」


魔王 シファはコクリと頷いた。


大魔術師 テンペ「まずは、この魔族出身のルードフだが
          奴は、ワシがしとめたはずじゃったが
          変わり身を使って死んでいなかった
          事は、皆承知の通りじゃ」
        
         「ルードフは、この魔界で「禁呪」を乱
          用し自分の嫁その子、その親族まで悉
          く秘密裏に実験し絶命させたゆえ、
          ワシが師匠として葬ったのだが・・・」


         「生きておった・・・」


閼伽の魔将軍 シャウキ

「・・・我が妹、レイハンをあのような観るも無残な化け物
 にしおって・・・ルードフめ!」


大魔術師 テンペ「そのルードフが・・・暗黒王 パウウガガ
          と通じ、暗黒の力を得て強力な術者になっ
          ておることは、報告した通りじゃ・・・」


魔王 シファは、黙って聞いている。


大魔術師 テンペ「そして・・・本題じゃが、魔王 シファ様の
          妹、ミーナを殺したのもまた、ルードフじゃ」


ヴィクト(母さんが???魔王の妹・・・)


大魔術師 テンペ「魔の血族だけに、この事は許しがたい・・・」
        
         「魔族をあげて、血族の仇を討つのは、当然なの
          だが・・・」
         「これに反対しておる者もおる」


大魔術師 テンペ「ミーナは、人の男と交わった故、魔族を去った
           身じゃからな・・・反対があるのも仕方なかろ
           う・・・が、事はそれだけではすまないのじゃ」


魔元帥 エテオトル「ウム」

蒼の魔将軍 フェノ「うむ」

閼伽の魔将軍 シャウキ「ウム」


魔召喚士 センテオ 「私は、反対ですよ」
             「ミーナ様は、この魔界を裏切った、そして勝手
             に盟約を破り、オメテオスを召喚した!」
         
             「本来は、オメテオスを含めて、抹殺されても
             文句は言えないはず!!」

             「そんなに、魔王との盟約は、軽くはないぞ!!
             オメテオス!!!」


魔闘士 オメテオス(ヌ、グム・・・)


大魔術師 テンペ「センテオの言う事も、もっともじゃ」

           「しかしの、ミーナが禁を破ったおか

           げで、暗黒界の動きが解った事も事実じゃし・・・」


魔元帥 エテオトル

「ソノコトニツイテハ、マオウトハナシヲシタガ、ミーナハコノヨニハモウソンザイ
 セヌシ、オメテオスモ、ミーナサマニヨバレテハ、サカラエナイコトダシナ」
         

 「サイシュウノケツダンハ、マオウガケツダンスルトノコトダ」


魔召喚士 センテオ「まあ、ミーナが死んでるから無罪というなら
            仕方ありませんが、このままでは下々に示し
            がつきませんよ」


魔王 シファはコクリと頷いた。


大魔術師 テンペ「魔王、いかが致します??」


・・・ふむ・・・


魔王 シファ「我が妹のした事は、血族であり兄弟である、俺の
        罪だ、よって、皆の考える罪を俺が背負う」


魔王 シファは、魔召喚士 センテオを見ながら続ける。


魔王 シファ「王自ら、罪を背負うとは、掟を守るという
        事だ、それでよいな?」


魔召喚士 センテオ「い、いや、それは・・・王自らなんて
             とても、そんな・・・」


魔王 シファ「ミーナは盟約を破った、だが命を掛けて既に
        死んでいる、死んだものには鞭はくだせん」


魔召喚士 センテオ「そうですが・・」


魔王 シファ「ふむ、ところで魔召喚士 センテオよ、俺に忠誠
        を誓って永いな・・・センテオ・・・」


魔召喚士 センテオ「はっ!!」


魔王 シファ「大賢者 アマールの子孫故、見逃しておったが
        ルードフに禁呪を教えたのは・・・」


センテオ・・・キサマだろ??


魔召喚士 センテオ「・・・・・!?」


蒼の魔将軍 フェノ「な~~~に~~~~!!!」
フェノの眼光が蒼くギラリと光る。


閼伽の魔将軍 シャウキ「なんだと~~~」
シャウキの纏っている炎が猛る。


魔召喚士 センテオ「ひっ・・・あ、あれは・・・ルードフに」

            「古書を・・・秘伝の古書を、盗まれまし
            て・・おどされて・・・交換に・・・」


蒼の魔将軍 フェノ「禁呪を教えたと言うのか!!??」 

     

シャウキの纏っている炎が、魔召喚士 センテオに襲いかかる


魔王 シファ「待て、シャウキ!」


閼伽の魔将軍 シャウキ

「しかし、魔王・・コイツが、ルードフのような
 小物に禁呪を教えたせいで、我が妹は・・親族は・・」


バケモノニサレテ、サラニ絶命シタンデスヨ!


シャウキの纏っている炎が、炎剣と変り魔召喚士 センテオ
の喉を焼き突こうとしている・・・ 

       

魔王 シファ「怒りは解る、が待て、シャウキ」


閼伽の魔将軍 シャウキ「グ・・・解り・・ました」


閼伽の魔将軍 シャウキ 炎剣を収めた。


魔元帥 エテオトル「センテオ、コンカイノコトノハジマリ、ソノゲンインハ、

            オマエニアルトイウコトガ、ワカッタナ???」


魔召喚士 センテオ「ハイ・・・」ブルブル震えている。


魔元帥 エテオトル「マオウトワタシハ、シッテイタガ、ケツゾクヲタヤシタクナ

            イユエ、ダマッテイタンダ・・・コレデモ、マダミーナサ

            マノ、ツミヲトウノカ??イチバンノツミハオマエダゾ!」


ブルブルガクガク 魔召喚士 センテオ「・・・」


魔王 シファ「禁呪は、血の秘伝だったはずだな?」


魔召喚士 センテオ「ハ、ハヒ」


魔王 シファ「その秘伝が血族以外のもの・・・
        人間にも使われている可能性がある!
        人間が強化されていると言う噂もある」
      
魔召喚士 センテオ「ハ、ハヒ」


魔元帥 エテオトル「デハ、モウハンタイハナイナ、センテオ」


魔召喚士 センテオ「ハヒ、ハヒ」


魔王 シファ「シャウキよ、よく堪えてくれた」


閼伽の魔将軍 シャウキ「は!」
           
閼伽の魔将軍 シャウキ「しかし、禁呪を教えたのが

               センテオだったとは・・・」


大魔術師 テンペ「うむ・・・」


魔王 シファ「センテオの罪が消えた訳ではない、しかし、
        その事を遥かに越えている我が血族を抹殺

        できる程の力を、暗黒と通じたルードフが身に
        つけているという事のほうが重大な問題なのだ」

        

        「パウウガガや暗黒の事も、全て
        

        調査し討伐の対策を立てねばならん」


         「よって、全て不問にする!」


閼伽の魔将軍 シャウキ「ハ!」


蒼の魔将軍 フェノ「ハ!」


大魔術師 テンペ「ハ!」


魔闘士 オメテオス「ハ!」


魔元帥 エテオトル「ヨシ、マゾクヲアゲテチョウサヲカイシセヨ」


・アンコクカイ、アンコゾクニカンスルコトスベテ

・パウウガガノ、カコノオコナッタコウイ

・ルードフノショザイ

・デオンコクノ、ニンゲンドモトアンコクカイトノツナガリ


魔元帥 エテオトル「イジョウヲ、フクメテ、マカイゼンタイニ
            デンタツセヨ!!」


大魔術師 テンペ「は!畏まりました!」


魔元帥 エテオトル「デハ、カクジウゴイテクレ」

            「ホウコクハ、ズイジワタシニクレ」


皆、迅速に調査に動いた。


魔王 シファ「オメテオス、ミーナの子、ヴィクト
        よ、少し話がしたい、後で俺の所へ
        来い、テンペとデクも来てくれ」


テンペ「ハハ!」

デク「ハハ!」


オメテオス「ハ!!解りました」

ヴィクトはコクリと頷いた。


つづく