【★】第十九章 魔界へ 【★】


ルードフ達が消えた後

テスクの亡骸を前に、3人は静かに
佇んでいた。ヴィクトは放心状態で
テスクの顔をじっと見ている。


(父さん・・・)


ウィツィロはただ泣きじゃくっている。


オメテオス・・・
(ミーナ様、テスクを守れませんでした)
(貴女につづいてテスクまで・・・)


ヴィクト「父さん・・・」
     「もう2度と会えないんだね」



オメテオスはそっとヴィクトの肩を抱く


ウィツィロ「隊長をお墓に連れていこう」


オメテオス「俺が担ごう」


ヴィクトはコクリと頷き、テスクの亡骸を
ミーナの眠るお墓へ連れていき埋葬した。
数時間、3人はお墓の前で佇んでいた。


父さん・・・さようなら


「敵は必ず取ります」
「敵を取ったら、報告にきますね」


オメテオス「敵か敵は、ルードフ、ゴデイ・・・
       暗黒の者だ・・・」


ヴィクト「許さんルードフ!!」


ヴィクトは、両親とも失い悲しみに暮れ
いつしか、ヴィクトは涙が流れなくなった。


数日後

ヴィクト「ルードフ・・・許さない!」

ヴィクトは思い出すたびに、こう繰り返す。


オメテオス「ヴィクト・・一度、魔界へいこう」

      「ミーナ様の故郷、魔界へいって
      今後の話をしよう」
      「ヴィクトはミーナ様の子だから
      知らなきゃならない事がある」


ヴィクト「知らなきゃならない事???」


オメテオス「ルードフの事。ミーナ様の事」


ヴィクト「うん・・・解った」


ウィツィロ「俺は、一度故郷に戻るよ」
      「元遊撃隊を募って、ヴィクトの
      敵討ちを手伝うよ」


ヴィクト「有難う、でも相手は人間じゃない
     ウィツィロ達には手に負えないよ」


ウィツィロ「それでも、できる事はあるさ
      強敵だから逃げる・・・そんな
      ことは、ヴィクトの父さんから
      は習ってないよ」


ヴィクトは、ウィツィロに抱きつき「ありがとう」
「ありがとう」と呟いた。

その日、ウィツィロは故郷に帰

っていった。



魔界城 ブレアード


魔界に戻った、オメテオスは魔元帥にことの
内容を告げ、ヴィクトを連れてきたことを話
た。魔元帥は、ヴィクトを歓迎する。

明後日、魔王 シファとの暗黒族討伐会議があ
るから同席するよう二人に告げた。


つづく


ヴィクト達は、魔界へいくのであった。