【★】第十三章 強き父のように【★】


オメテオスは泣きじゃくっている・・・


魔元帥 エテオトルは亡くなったミーナの瞼を
静かに閉じ・・・記憶を見るからなと言い


なにやら呪文を唱え始めた。


「エイエンニネムリシミーナヨ、ソノキオクヲ、ワレニミセヨ」


魔元帥 エテオトルは、ミーナの見た記憶を全て
読み込んだ。


禁呪

暗黒王 パウウガとの盟約

七神七魔の封印

空の魔方陣

暗黒帝 の召喚

ヴィクトの不思議なエネルギー


魔元帥 エテオトルは、静かにミーナを
抱きかかえヴィクトの側に置く
ヴィクトルは死んだように眠っている。


魔元帥 エテオトル「オメテオス」


オメテオス「ハッ!」


魔元帥 エテオトル「コノコノコトハ、ヨクミテオイテヤルガヨイ」


オメテオス「ハッ!」


魔元帥 エテオトル「コノコノコハ、ミーナノコユエ、ケツゾクニ

            モナル、マオウニモホウコクシテオク

            イズレツレテイカネバナルマイ」


オメテオス「ハッ!お願いします」


魔元帥 エテオトル「テスク、ノコトダガ・・・」
            「ヤツモ、スウネンモ、モタナイダロウ」
            「ソノアイダ、コトトモニイサセテヤレ」


オメテオス「ハッ!解りました!」


魔元帥 エテオトル「ソノアイダワシハ、ミーナノ、キオクノ
             ナイヨウヲシラベテオク、アンコクオウガ
             ヨミガエルナラバ、マオウモ、ネムリカラ
             メザメルダロウ」


オメテオス「ハイ!承知しました!」


魔元帥 エテオトル「デハナ」


魔元帥 エテオトルは魔界へ戻った。


そして、夜が明けていく・・・

オメテオスは、自分が魔界へ帰らなければ、こんな
ことにはなってなかったかもしれないと、自分を悔
やんでいた。


ヴィクトは目覚め、母ミーナが死んだ事を必死で受
け止めていた。涙を流しながら、父の元に運んだ。


ウィツィロは、昼頃やっと目覚めたが、ショックで
前の日の記憶が飛んでる・・・


父、テスクは昏睡状態が続き、目覚めない・・・

2日経ち、目覚めぬ父に最後の別れを・・・


ヴィクト「父さん、母さんをお墓につれていくね」


ミーナを、丁寧にお墓に埋めた。


ヴィクトは、悲しみの果てを見ているようだ。

ヴィクトは、お墓を離れようとしない

ウィツィロが横に座り、ヴィクトを慰めている。



オメテオスは、涙をこらえ

調べる事があると山を降りた。

「ルードフ!覚悟していろよ!」と心で吠えていた。


月日は、静かに早く過ぎて行く


ウィツィロは、テスクの看病をしながら


ヴィクトと共にすごした。


ヴィクトは、左腕、左耳、左眼がないのにも
関わらず、運動神経がよく飲み込みも速かった

ヴィクトは、何かを振り切るようにあらゆることを

吸収していった。

ウィツィロは、ヴィクトに戦闘や他の様々な事
を教えた。また、テスクに教えてもらった
剣技も教えた。


そうこうしながら・・・


半年が過ぎた・・・


ある日


ヴィクト「父さん・・・今日も目覚めないね・・・」
     「早く目覚めないかなあ、沢山話した

      いことがあるんだ」


ヴィクトはテスクの看病をしている


ウィツィロ「もう半年も経つな・・・」
      「大量に血を流しすぎたからな」
      「生きているのが不思議なくらいだ」


ヴィクト「ねえ、ウィツィロ・・・父さんは
      強かった?」


ウィツィロ「ああ、とても強い、人間では

      ない黒騎士 ゴデイに、一人で

      勇敢に挑んで、傷までつけた

      んだぞ」


       「勇敢で強く、そして優しい、とても
       とても・・・優しいんだ・・・」


ウィツィロは、思い出して涙を流している


ヴィクト「そっか、父さんは強くて優しいんだね」


ウンウンと頷きながら、ウィツィロは泣いている。

ヴィクトも涙が止まらない


ヴィクト「僕は、父さんのように強い男になる!

      きっとなるからね」


ヴィクトは、父の手を握り話しかけている、ウィ

ツィロはヴィクトをそっと抱きしめた。


二人は、泣きに泣いた・・・涙が枯れるまで泣き叫んだ。



つづく