【★】第一章 転生の書【★】


路地に一人の少年が座り・・・なにか・・・つぶやいている・・・


「神よ・・・」「この世に神はいないのか・・・」
「神よ弟を救ってくれ~~~~!!」
「神よ~頼むよ~」

少年は、泣き叫んでいる

ついいましがた、弟が死んだようだ・・・

少年は争いに巻き込まれ、弟を失った、少年の
横に死んだ弟が血だらけで倒れている・・・


戦乱と混沌の時代には、こういう状況はふつうであろう
道々には、死体が無数何百何千と横たわっている

少年は・・・力なく・・


弟を背中に背負いトボ、トボと歩き出した


「父さんと母さんの眠るあの場所にいこうな・・・」

少年は、街を出てトボトボと山奥の墓地へ向かった・・・


ザクザク ザッザッ ザクザク ザッザッ墓を掘る・・・


「父さん母さん、弟も死んだよ・・」
「もう誰も残ってない・・・」
「一人ぽっちになっちゃった・・・」


みんな、みんなしんだ・・・


弟を墓に収めた少年は、弟の名を体に刻みつけていた


「どうして無関係の人間が沢山死ななくてならないんだ~~~」
「この世に神はいないのかあああああ!!!」

「くっ!!!・・・神、神などおらぬ!!!・・・」


心はズタズタになり、気がふれそうな少年の声


「力が力が欲しい!!全てを凌駕する力が・・・」
「力があれば、力さえあれば・・・」


「くそおおおおおおおおおおおおお!!!」
  「くそおおおおおおおおおおおおお!!!」
    「くそおおおおおおおおおおおおお!!!」


悲しき声が闇の中でこだまする!!

どれほどの時間が過ぎたのだろう?・・・


少年は、「」を求め様々な書物を読み漁ったり
人に聞いたりした・・・


「全てを凌駕する力???お前馬鹿か?」
「そんなものあるはずないだろう」
「ワハハハハ」

「こいつ頭おかしいぜ、人間は人間のままだよ」
「そんな力があるなら俺がとっくにもってるよ」


・・・少年は、身を削りながら探す・・探す・・・

1年、2年・・・探しただろうか・・・


ある日ふいに・・・
導かれるように入った古い地下教会で、変な古ぼけた
書物を見つけた・・・


これだ!!!


「その力、人智を超え創造を超え・・古き
力を得る、・・・自らの一部と引き換えに・・・」


「デュリウス神殿・・・・時の番人の元・・・
古来に伝わる書物・・・・」

「これだ!力だ!」神殿にある・・・いく・・・いくぞ!!


少年は海を2つ越え、山を7つ越え

「デュリウス」という街についた・・・

街の人々にデュリウス神殿は何処にあるのか?
と尋ねる、皆口々にこういった。


街の男

「神殿???あるにはあるが・・・少年・・・
悪いことは言わないから、やめておけ、あそこ
に入って出てきた人間はいねえ・・・」


「昔から、あそこにだけは入ってはならないって
この街の人間なら、皆知ってるぞ」


「たまにお前のような奴が、無鉄砲に入っていくが
・・・そのまま行方不明になる!」


「あそこは呪われているんだよ!」


「この街、デュリウスも呪われた騎士の名前なんだ」

「やめときなよ!・・・」


少年はそれでも場所を聞きだし、その神殿に向かった


★デュリウス神殿★

巨大、周辺全てが壁を積み上げたような、壁の岩のような
神殿がそびえたっていた。見るからに不気味だ。

少年の目の前にある。

「見つけた」
「ここに・・「力」が力があるかもしれない・・」

少年は、神殿の中に入った

が・・・

中は何も無い・・・

騎士らしき像が中央の奥に立っている

「クソ・・・ただの神殿か・・・」
少年は、その場所に横たわった。

辺りに霧のようなものが出てきた・・・

「な、なんだこれは・・・急に眠気が・・眠い」

少年は、呟きその場で眠ってしまった。



・・・


老人A「久しいの」「人間がここに来るのは」

老婆B「ほんに、ほんにひさしいの~」

老人C「ココニキタトイウコトハ・・・」
   「導きか・・・運命か・・・」

老人D「偶然にせよ、導きにせよ、運命にせよ」
   「自ら来たのだから・・選択は自由だの」

老婆B「この少年は憎悪と、怒りに燃えてるわねえ」

老人A「ふむ」「ちからを求めて来たのだろう・・」

老人C「テンセイノショヲオコウ」

老人D「自ら来たのだから・・選択は自由だ」


少年は夢の中で、こんな会話を聞いていた。

そして、目が覚める

「なんだ、あの老人達は???」
「導きか・・・運命か・・・」
「テンセイノショ」
「なんなんだ??なんのことだ?」


ふと見ると、傍らに古い分厚い古いが置いてある。


「これは?”転生の書”と書いてある・・・」
「力が力がてに入るかもしれない!!」


少年は、読みふける、寝食を忘れ、自分も忘れ
ただ、ただ読みふける・・・


「この本は!?」「転生交換の書!?」
「力が欲しくば呪文を唱え、自分の肉体の何か?と
交換する・・・か」

「自分の何か??」「腕とか脚とか書いてあるな」
「目でもいいのか・・・」「力1つに体の一部1つ・・・」

「交換する対価に応じて、力が手に入る!!」

「やった!やったぞおお!!」
「ついに!ついに見つけたあああああああ!」

「力!力を手に入れてやる!!!」


そして少年は、本の中の呪文を読む・・・


「ローアフアロービュイローロー」「ローマフアロービューマフアーアフアマフアー」


「よし!いいぞ!次、次は・・・」

「力1つに体の一部1つ・・・」

「何がいい?」「なにと交換する!?」


少年は、左腕、左目、左耳と呟いた・・・


すると、何処からとも無く音がする

ゴゴゴゴゴオッゴゴオオオオーン

少年は無意識にその扉を開け入った


少年「暗い」「何も見えない!」


老人「転生の呪文を読んだのはおまえか?」
と静かな澄んだ声がした。


少年「はい・・・」


老人「ふむ、力を求めておるのだな??」


少年「はい・・・」
少年「心焼くほどに、身がちぎれるほどに」「命を投げ出してでも欲しい!」

少年「求めています!力を!!」


老人「ふむ、ここに来るものは皆そう言う」
老人「・・・」「左腕、左目、左耳」
老人「確かに貰うぞ!」
老人「後悔はせぬな!」


少年「はい・・・」

老人「よかろう!力3つと引き換えだ・・・」


我らは、時を制する大いなるものなり


「そのちからをもって」


老人A「神になるものもいよう」「だが神ではない」

老婆B「魔になるものもいよう」「だが魔ではない」

老人C「絶対者になるものいよう」「だが絶対はない」

老人D「無限者になるものもいよう」「だが無限ではない」


”その力”なんとする?どう使うかは自由だ!

”その力”なんとする?どう与えるかは自由だ!

 ”その力”なんとする?どう導くかは自由だ!
”その力”なんとする?全てを決めるのはおまえだ!


つづく


【★】第二章 不吉な子【★】

【★】第三章 王国騎士団【★】

【★】第四章 黒騎士 ゴデイ【★】

【★】第五章 ミーナの胸騒ぎ【★】

【★】第六章 暗黒魔道士 ルードフ【★】

【★】第七章 魔界【★】

【★】第八章 ミーナの願い【★】

【★】第九章 王命【★】

【★】第十章 一騎打ち【★】

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