カール・クレスのオリジナル曲によるギター独奏リサイタル
序文 ポール・ホワイトマン
このたび、アメリカで最高のリズム・ギターを演奏するカール・クレスについて述べさせて頂けるのは、私にとっては誠に光栄の至りであります。
カールは生きながらにして、すでに音楽界では不滅の存在となっております。
これまでにバンドでソロイストをインスパイアし、同時に観客を熱狂させ続けて来たミュージシャンの中のミュージシャンとして、カールのプレイはジャズ界になくてはならないものなのです。
カールが控えめにあくまでも伴奏者の一員として刻む軽快なリズムに乗って、偉大なソロイスト達は皆、素晴らしい名声を掴みました。
このたび、クレスはオーケストラの中での彼とはまたひと味ちがう、
ひとりのギタリストとしての芸術性をこのアルバムで明らかにしたのであります。
昨年、私のオール・アメリカン・スイング・バンドを結成した際、ギタリストには彼を指名したのですが、その時私は彼についてこう評しました。
「決して派手ではなく、決して人目を引く訳ではないが、ただただ驚異的に素晴らしいのである。」
彼の絶妙な味わいを持つコードの響きと理想的なリズムコンセプトについて触れておきましょう。
何年も前、 レコーディングにどうしてもギタリストが必要だった時、Roy Bargy がカールを見つけ出して連れて来て以来、私にとって彼はファースト・コールのギタリストなのです。
その時、私たちは "Sun" という曲で Matty Malneck が奏でるフィドルの伴奏をしてくれるギタリストが必要でした。
ニューアーク出身のまだ無名の青年(そう、カールのことです)は、バイダーベックとトラムバウアーの間の席に座ると、壊れかかったケースから私にとってはウクレレ(訳者注: 彼が使用したのは4弦ギターでした)にしか見えない物を取り出しました。
私は Roy Bargy を呼び、私たちのビッグバンドにはウクレレは必要ではない事を彼に伝えるように言ったのですが、それに対して Bargy はただ微笑んだだけ。
彼はカールがどのような演奏をするのかよく判っていたのです。
そして数分後、私はこの青年が4弦ギターを使ってまるでハープのような演奏をする事を知りました。
カールにとっての二人の有名なパートナー、エディ・ラングとディック・マクドノーの亡き今、偉大な彼らの継承者にふさわしいこのアルバムをデッカ・レーベルがリリースしたことをとても嬉しく思っております。
序文 ポール・ホワイトマン
このたび、アメリカで最高のリズム・ギターを演奏するカール・クレスについて述べさせて頂けるのは、私にとっては誠に光栄の至りであります。
カールは生きながらにして、すでに音楽界では不滅の存在となっております。
これまでにバンドでソロイストをインスパイアし、同時に観客を熱狂させ続けて来たミュージシャンの中のミュージシャンとして、カールのプレイはジャズ界になくてはならないものなのです。
カールが控えめにあくまでも伴奏者の一員として刻む軽快なリズムに乗って、偉大なソロイスト達は皆、素晴らしい名声を掴みました。
このたび、クレスはオーケストラの中での彼とはまたひと味ちがう、
ひとりのギタリストとしての芸術性をこのアルバムで明らかにしたのであります。
昨年、私のオール・アメリカン・スイング・バンドを結成した際、ギタリストには彼を指名したのですが、その時私は彼についてこう評しました。
「決して派手ではなく、決して人目を引く訳ではないが、ただただ驚異的に素晴らしいのである。」
彼の絶妙な味わいを持つコードの響きと理想的なリズムコンセプトについて触れておきましょう。
何年も前、 レコーディングにどうしてもギタリストが必要だった時、Roy Bargy がカールを見つけ出して連れて来て以来、私にとって彼はファースト・コールのギタリストなのです。
その時、私たちは "Sun" という曲で Matty Malneck が奏でるフィドルの伴奏をしてくれるギタリストが必要でした。
ニューアーク出身のまだ無名の青年(そう、カールのことです)は、バイダーベックとトラムバウアーの間の席に座ると、壊れかかったケースから私にとってはウクレレ(訳者注: 彼が使用したのは4弦ギターでした)にしか見えない物を取り出しました。
私は Roy Bargy を呼び、私たちのビッグバンドにはウクレレは必要ではない事を彼に伝えるように言ったのですが、それに対して Bargy はただ微笑んだだけ。
彼はカールがどのような演奏をするのかよく判っていたのです。
そして数分後、私はこの青年が4弦ギターを使ってまるでハープのような演奏をする事を知りました。
カールにとっての二人の有名なパートナー、エディ・ラングとディック・マクドノーの亡き今、偉大な彼らの継承者にふさわしいこのアルバムをデッカ・レーベルがリリースしたことをとても嬉しく思っております。