2025年4月10日、アメリカの3月消費者物価指数(CPI)が発表されました。
結果は下記の通りです。
どの項目も予想を下回っており、アメリカのインフレが予想以上に早く収まる気配がします。
この原因は、政府支出の削減にあると言えます。
トランプ政権発足後、イーロン・マスク率いる政府効率化省(DOGE)が政府予算削減の為、多くの連邦職員を解雇しました。
特にやり玉にあがったのが米国際開発局(USAID)で、マスク氏は、6兆円にのぼる予算は国益につながらず無駄遣いが多いとして、USAIDの閉鎖を命じていました。
USAIDは本来、世界各地で人道支援や公衆衛生支援などを目的としていますが、それを隠れ蓑にして、よくわからない所に予算を付けて支出してる事が指摘されていました。
そのような背景から、マスクは大なたを振るって予算カットへと舵をきったのです。
ここ2,3年、アメリカはインフレ状態で、物価上昇している事は、アメリカ経済は需要が旺盛で好景気であると言えます。
経済政策の王道は好景気の状況下では政府支出を減らして需要を抑える事です。
需要を抑え込もうとしなければどんどん物価上昇して、国民生活が混乱します。
本来、政府支出の削減はアメリカにおいては必須事項で、これによってインフレを抑える必要がありました。
しかし、トランプ政権発足時まで、アメリカは主に金融政策(利上げや国債売り)によってインフレを抑え込もうとして、財政支出の削減には消極的でした。
その結果、インフレは長期化してなかなか物価安定目標に達せず、高金利の状況が長引いていました。
金融政策だけでインフレを抑え込もうとするには限界があるので、財政政策をする必要があったのですが、なかなか手を付けられずにいました。
しかし、トランプ政権発足後、直ぐに政府支出削減に着手した事は経済政策の王道を行っているといえます。
もちろん必要な政府支出は今後も増やしていくべきですが、本来必要性の薄いものを減らすのは重要です。
この政策の効果が早くも結果に出たことになります。
3月消費者物価指数は予想を下回り、この調子でいけば年内にはインフレはほぼ沈静化すると思われます。
インフレが収まれば、現在の政策金利は高すぎるのでFRBは利下げせざる得なくなります。
この高金利を長期化させるとリセッションの危険があるからです。
既にFRBは4月から量的引き締めの減速を発表しています。
今まで毎月、国債を250億ドル売っていたのを50億ドルに減らすと発表しています。
これは事実上の利下げとも言えます。
今後はインフレの低下とともにアメリカ経済のリセッションの可能性が視野に入ります。
政府支出削減により実体経済に出回る通貨量が減れば当然お金に困る人が増えるので急激な景気後退の危険性があります。
利下げが先かリセッションが先か、、、
今後の動向に目が離せません。