今回は、不当解雇(リストラ)に関する判例を紹介します(つづき)。
エ 控訴人は、本件発言の後間もなく、海兵隊がQ2の生命・身体を保護する措置を執り、Q2も自らの身の安全を確保するよう警戒していたと主張する。
本件発言の内容が現実的な危険性を感じさせるものでなかったと判断すべきことは前述のとおりである。当審に至って提出されたQ2の陳述書(乙48)にはこれに沿う記載があるものの、原審において提出されたQ2の陳述書(乙22)その他の証拠にはこれに沿うものは全くない。当審提出の上記陳述書には、上記のような重要な事実を当審に至って初めて陳述するに至った合理的な理由の説明がないので、これを採用することができない。
また、仮にそのようなことが行われたとしても、上記認定を前提にする限り、せいぜい念のための備えにすぎないというほかなく、本件発言が控訴人の主張するようなものであるとすれば、むしろその程度のことしか行われなかったことこそ不自然不合理である。
2 解雇権濫用の成否(争点〔2〕)について
(1)判断の骨子
当裁判所も、前記のとおり本件制裁解雇には制裁解雇事由が認められないところ、仮にこれが認められたとしても、被控訴人の本件発言の内容その他の事情にかんがみ、本件制裁解雇は重きに失し、解雇権の濫用に該当すると判断する。その理由は、当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは、原判決「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の3に記載のとおりである。
(2)当審における控訴人の主張に対する判断
ア 控訴人は、本件発言が直ちにQ2を殺害し、又はこれに準ずるような深刻な打撃を加える切迫した危険を感じさせるものであったから、厳格な職場規律を重んじる在日米軍においては到底容認し得ないものであると主張する。
前記のとおり、本件発言は上記のような危険を感じさせるものではなかった。また、前記のとおり、被控訴人が所属していたMCCS自動車輸送課において殊更に厳重な規律ないし秩序の維持が必要であるとは認めるに足りない。控訴人の上記主張は前提において失当である。
イ 控訴人は、被控訴人が長期間、多数回にわたり規律違反行為を繰り返し、その都度指導及び注意を受けていると主張する。
控訴人が主張する規律違反行為のうち、平成15年6月24日に係るもの(乙24)は従業員同士の喧嘩を理由とするものであるから、被控訴人ばかりを非難することはできない。平成15年8月11日及び12日に係るものは、最終的に公式訓戒が取り下げられているので(乙25~27、32~35)、これをもって被控訴人の規律違反行為と評価することはできない。平成15年10月15日に係るものはユニフォームの不着用(乙28)、平成17年3月14日に係るものは8分の早退(乙31)、平成18年10月17日に係るものは2分の遅刻(乙30)、平成18年10月13日に係るものは昼食からの帰りが遅いというものであり(乙29)、仮にこれらの事実が存在していたとしても比較的軽微なものである。
控訴人は、Q2及びP2が作成した日誌(乙13)のとおり被控訴人は遅刻その他の規律違反行為を繰り返したと主張する。
原判決が適切に説示するとおり、上記日誌を前提としたとしても平成18年の遅刻は合計5回、最長で10分間にとどまるものであるから、被控訴人が悪質な遅刻を常習的に行っていたとは認めるに足りない。
のみならず、そもそも上記規律違反行為のうち解雇予告通知書(乙8)に記載されていない行為又はこれと関連性の乏しい行為をもって本件制裁解雇の理由とすることは許されないと解すべきである。
そうすると、本件制裁解雇には制裁解雇事由が認められないところ、仮にこれが認められたとしても、被控訴人の本件発言の内容その他の事情にかんがみ、本件制裁解雇は重きに失し、解雇権の濫用に該当する。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
エ 控訴人は、本件発言の後間もなく、海兵隊がQ2の生命・身体を保護する措置を執り、Q2も自らの身の安全を確保するよう警戒していたと主張する。
本件発言の内容が現実的な危険性を感じさせるものでなかったと判断すべきことは前述のとおりである。当審に至って提出されたQ2の陳述書(乙48)にはこれに沿う記載があるものの、原審において提出されたQ2の陳述書(乙22)その他の証拠にはこれに沿うものは全くない。当審提出の上記陳述書には、上記のような重要な事実を当審に至って初めて陳述するに至った合理的な理由の説明がないので、これを採用することができない。
また、仮にそのようなことが行われたとしても、上記認定を前提にする限り、せいぜい念のための備えにすぎないというほかなく、本件発言が控訴人の主張するようなものであるとすれば、むしろその程度のことしか行われなかったことこそ不自然不合理である。
2 解雇権濫用の成否(争点〔2〕)について
(1)判断の骨子
当裁判所も、前記のとおり本件制裁解雇には制裁解雇事由が認められないところ、仮にこれが認められたとしても、被控訴人の本件発言の内容その他の事情にかんがみ、本件制裁解雇は重きに失し、解雇権の濫用に該当すると判断する。その理由は、当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは、原判決「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の3に記載のとおりである。
(2)当審における控訴人の主張に対する判断
ア 控訴人は、本件発言が直ちにQ2を殺害し、又はこれに準ずるような深刻な打撃を加える切迫した危険を感じさせるものであったから、厳格な職場規律を重んじる在日米軍においては到底容認し得ないものであると主張する。
前記のとおり、本件発言は上記のような危険を感じさせるものではなかった。また、前記のとおり、被控訴人が所属していたMCCS自動車輸送課において殊更に厳重な規律ないし秩序の維持が必要であるとは認めるに足りない。控訴人の上記主張は前提において失当である。
イ 控訴人は、被控訴人が長期間、多数回にわたり規律違反行為を繰り返し、その都度指導及び注意を受けていると主張する。
控訴人が主張する規律違反行為のうち、平成15年6月24日に係るもの(乙24)は従業員同士の喧嘩を理由とするものであるから、被控訴人ばかりを非難することはできない。平成15年8月11日及び12日に係るものは、最終的に公式訓戒が取り下げられているので(乙25~27、32~35)、これをもって被控訴人の規律違反行為と評価することはできない。平成15年10月15日に係るものはユニフォームの不着用(乙28)、平成17年3月14日に係るものは8分の早退(乙31)、平成18年10月17日に係るものは2分の遅刻(乙30)、平成18年10月13日に係るものは昼食からの帰りが遅いというものであり(乙29)、仮にこれらの事実が存在していたとしても比較的軽微なものである。
控訴人は、Q2及びP2が作成した日誌(乙13)のとおり被控訴人は遅刻その他の規律違反行為を繰り返したと主張する。
原判決が適切に説示するとおり、上記日誌を前提としたとしても平成18年の遅刻は合計5回、最長で10分間にとどまるものであるから、被控訴人が悪質な遅刻を常習的に行っていたとは認めるに足りない。
のみならず、そもそも上記規律違反行為のうち解雇予告通知書(乙8)に記載されていない行為又はこれと関連性の乏しい行為をもって本件制裁解雇の理由とすることは許されないと解すべきである。
そうすると、本件制裁解雇には制裁解雇事由が認められないところ、仮にこれが認められたとしても、被控訴人の本件発言の内容その他の事情にかんがみ、本件制裁解雇は重きに失し、解雇権の濫用に該当する。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。