今日は、不当解雇(リストラ)に触れている判例を紹介します(つづき)。 
(2)解雇権濫用の成否(争点〔2〕)について
ア 本件発言は、直ちにQ2を殺害し、又はこれに準ずるような深刻な打撃を加える切迫した危険を感じさせるものであったから、厳格な職場規律を重んじる在日米軍においては到底容認し得ないものである。
イ 被控訴人は、〔1〕平成15年には監督者の命令に従わなかったことを理由としてカウンセリング(面談による注意、指導)を複数回受けた(乙24ないし28)ほか、手続上の理由で後に撤回されたものの、公式訓戒措置が執られ(乙32、35及び36)、〔2〕平成16年からは違反記録が取られるようになり、その記録に残っている限りでも、複数回にわたる遅刻、早期離職が認められており(乙13、31)、〔3〕平成17年3月14日には早期離職(午後3時30分までの勤務であるのに午後3時22分に離職)が認められ、口答指示に従わない行為として、今後同様あるいは他の違反行為があった場合には、出勤停止あるいは解雇も含む厳しい措置が執られる旨の警告がされ(乙31)、〔4〕平成18年10月13日にも昼食時間を超えて遅く職場に戻ってきたためこのまま仕事に遅れることが続けば公式訓戒措置が執られる旨告げられ(乙29)、〔5〕同月17日にも、午前6時30分に出勤すべきところ、午前6時32分に出勤したことを理由として、このまま仕事に遅れることが続けば公式人事措置が執られる旨警告を受け(乙30)、〔6〕平成19年1月4日には、公式訓戒文書が交付された(乙37)。
 原判決は、Q2及びP2が作成した日誌(乙13)のうち平成18年度の記載部分を捉えて被控訴人の遅刻が少ないとした。Q2及びP2は平成16年9月24日から上記日誌に被控訴人の出勤時刻や勤務状況の記録を取っているところ、それ以外にも被控訴人は規律違反行為を繰り返しており(Q2及びP2の各原審供述)、これによれば平成18年度以外にも被控訴人が違反行為を繰り返し、その都度指導や注意を受けてきたことが明らかである。
 このように、被控訴人は、長期間、多数回にわたり規律違反行為を繰り返し、その都度指導及び注意を受け、今後も違反行為が続くようであれば解雇も含む厳しい措置が執られる旨の警告を受けていながら本件発言に及んだものである。
第4 当裁判所の判断
1 制裁解雇事由の有無(争点〔1〕)について
(1)判断の骨子
 諸機関労務協約における「秩序を乱す行為」「重」が制裁解雇という重大な法的効果を伴うものであることを踏まえると、少なくとも諸機関労務協約における説明と同程度以上の違法性を有する行為であって初めてこれに該当するものと解すべきである。
 被控訴人が「殺す」と発言したと認めるに足りる確たる証拠はなく、本件発言をもって「秩序を乱す行為」「重」に相当するほどの高い違法性を有する行為であると評価することはできない。
 控訴人が主張するその余の制裁解雇事由は認めるに足りない。
 当裁判所が上記のとおり判断する理由は、当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほかは、原判決「事実及び理由」の「第3 当裁判所の判断」の2に記載のとおりである。
なお、不当解雇(リストラ)について相談がある方は、不当解雇(リストラ)を弁護士に相談してください。また、企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士料金やサービス内容が異なりますので、比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉敷金返却・原状回復義務借金の返済刑事事件遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。