今回は、不当解雇(リストラ)に関する判例を紹介します(つづき)。
第3 事案の概要
1 事案の概要は、次項において当審における控訴人の主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1及び2に記載のとおりである。
2 当審における控訴人の主張
(1)制裁解雇事由の有無(争点〔1〕)について
ア 軍隊としての性質にかんがみると、在日米軍のすべての部隊あるいは職場においては、厳重に規律、秩序を維持することが必要であるから、上司に反抗し、危害を加える旨の言動をなすことは厳重に取り締まられなければならない。他人に対する物理的な攻撃が行われるか又はその現実的な危険がある場合のみならず、発言の内容や状況等に照らして業務又は規律の保持に悪影響を及ぼす場合も同様である。また、被控訴人は車両整備等を任務としていたところ、上司の命令に従わずに不正な整備や不十分な作業がされると重大な事故に繋がり、多くの人命が奪われることにもなりかねないし、工具等の武器となりうるものも常に保持している状況にあった。
このような特殊性を踏まえると、原判決のように制裁解雇事由を限定的に解釈するのは相当ではなく、文字どおり「規律の保持に悪影響をあたえる粗野な言動」であれば、その程度を問わず制裁解雇事由に該当するというべきである。
イ 原判決は、本件発言に関するN2の原審供述を全面的には採用することができないものとした。
N2の原審供述は、具体性及び迫真性に富むものであり、供述に変遷もみられず、P2の原審供述とも符合する。N2が虚偽の供述を行う動機はない。本件発言に関するN2の原審供述は全面的に信用することができる。
ウ 原判決は、本件発言に関する被控訴人の原審における供述を採用することができるものとした。
被控訴人の原審供述は、不自然なものである上に客観的事実と符合しないから、信用することができない。
エ 原判決は、海兵隊がQ2の生命・身体を保護する措置を執った形跡がないとして、本件発言が現にQ2を殺害するなどの物理的攻撃に及ぶことを高い蓋然性で予見させるようなものであったとは認めるに足りないものとした。
在日米軍は、本件発言があった日の翌日には、被控訴人を休業手当支給身分に置き、出勤することによりQ2を攻撃する機会を奪った。仮に被控訴人が出勤してきても、直ちに同僚らが憲兵隊に通報することによりQ2を護衛することができる状態にあったので、被控訴人から通行許可証(ベースパス)を取上げる必要はなかった。Q2は、私生活においても被控訴人から攻撃を受けないよう警戒していた。
また、被控訴人は、日ごろから同僚や上司らに対して攻撃的ないし威圧的な言動を繰り返してきたのであるから、本件発言は単なる一時的な感情の高ぶりにより不満等を暴力的な言葉で表現したものにとどまるものではなく、直ちにQ2を殺害し、又はこれに準ずるような深刻な打撃を加える切迫した危険を感じさせるものであった。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
第3 事案の概要
1 事案の概要は、次項において当審における控訴人の主張を付加するほかは、原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1及び2に記載のとおりである。
2 当審における控訴人の主張
(1)制裁解雇事由の有無(争点〔1〕)について
ア 軍隊としての性質にかんがみると、在日米軍のすべての部隊あるいは職場においては、厳重に規律、秩序を維持することが必要であるから、上司に反抗し、危害を加える旨の言動をなすことは厳重に取り締まられなければならない。他人に対する物理的な攻撃が行われるか又はその現実的な危険がある場合のみならず、発言の内容や状況等に照らして業務又は規律の保持に悪影響を及ぼす場合も同様である。また、被控訴人は車両整備等を任務としていたところ、上司の命令に従わずに不正な整備や不十分な作業がされると重大な事故に繋がり、多くの人命が奪われることにもなりかねないし、工具等の武器となりうるものも常に保持している状況にあった。
このような特殊性を踏まえると、原判決のように制裁解雇事由を限定的に解釈するのは相当ではなく、文字どおり「規律の保持に悪影響をあたえる粗野な言動」であれば、その程度を問わず制裁解雇事由に該当するというべきである。
イ 原判決は、本件発言に関するN2の原審供述を全面的には採用することができないものとした。
N2の原審供述は、具体性及び迫真性に富むものであり、供述に変遷もみられず、P2の原審供述とも符合する。N2が虚偽の供述を行う動機はない。本件発言に関するN2の原審供述は全面的に信用することができる。
ウ 原判決は、本件発言に関する被控訴人の原審における供述を採用することができるものとした。
被控訴人の原審供述は、不自然なものである上に客観的事実と符合しないから、信用することができない。
エ 原判決は、海兵隊がQ2の生命・身体を保護する措置を執った形跡がないとして、本件発言が現にQ2を殺害するなどの物理的攻撃に及ぶことを高い蓋然性で予見させるようなものであったとは認めるに足りないものとした。
在日米軍は、本件発言があった日の翌日には、被控訴人を休業手当支給身分に置き、出勤することによりQ2を攻撃する機会を奪った。仮に被控訴人が出勤してきても、直ちに同僚らが憲兵隊に通報することによりQ2を護衛することができる状態にあったので、被控訴人から通行許可証(ベースパス)を取上げる必要はなかった。Q2は、私生活においても被控訴人から攻撃を受けないよう警戒していた。
また、被控訴人は、日ごろから同僚や上司らに対して攻撃的ないし威圧的な言動を繰り返してきたのであるから、本件発言は単なる一時的な感情の高ぶりにより不満等を暴力的な言葉で表現したものにとどまるものではなく、直ちにQ2を殺害し、又はこれに準ずるような深刻な打撃を加える切迫した危険を感じさせるものであった。
なお、不当解雇(リストラ)について専門家に相談したい方は、不当解雇(リストラ)に強い弁護士に相談してください。また、企業の担当者で、従業員の解雇についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、保険会社との交通事故の示談交渉、刑事事件や多重債務(借金)の返済、遺言・相続の問題、オフィスや店舗の敷金返却(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。