今回は、サービス残業の残業代請求に係る裁判例を紹介しています(つづき)。
(4)そして、被告は勤務時間終了後の残業については原告の一か月当たりの賃金四〇万円に含まれていると主張していること、原告は採用面接の際に勤務時間は午前二時までであるが、営業時間の終了後に店内の後片付けもしてもらうことになるという説明を受けたが、面接の担当者から営業時間の終了後の後片付けについて残業代を支払うという説明はなく、また、原告も面接の担当者による説明に対し更に説明を求めたり異議を述べたりすることはなかったこと(前記第三の一1(二))、原告の入社した日と同じ日に被告に入社したOは採用面接の際に一か月の賃金が金四〇万円であるという説明を受けてウエイターの仕事にしては賃金が高いと思ったこと(前記第三の一1(三))、原告はその本人尋問において残業の時間を手帳に書き留めるようになったのは被告に入社してから二か月くらいしてからで、被告が倒産するのではないかという不安をもったことによるという趣旨の供述をしており、この供述によれば、原告は被告に入社してから二か月が経過するまでは残業時間を書き留めようと考えたことがなく、ましてや残業代の支払を求めたこともないといえること、以上のほか、原告の勤務時間内における午後一〇時以降の深夜の割増賃金(残業代)については原告の一か月当たりの賃金に含めることを合意したものと認められることも加えて総合考慮すれば、原告と被告は本件契約の締結の際に勤務時間後の店内の後片付けに対する時間外及び深夜の割増賃金(残業代)をも含めて原告の一か月当たりの賃金を金四〇万円(ただし、所得税などの控除前の金額)とすることを合意したものと認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない(なお、後片付けに要する時間は毎日おおむね決まった時間であると考えられるから、その時間外労働(残業)及び深夜労働(残業)に対する割増賃金(残業代)分をも含めた賃金の合意をすることは労働基準法三七条に違反するものではないと解される。)。
(5)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、被告が原告に対し未払残業代の支払義務を負っているということはできない。
(五)右(四)によれば、被告は原告に対し未払残業代の支払義務を負っていないのであるから、原告の付加金の請求も理由がない。
二 争点2(研修手当の支払義務の有無)について
1 原告は、その本人尋問において、被告の採用面接の際に研修に参加すれば一日当たり金一万円を支払うという説明を受けたと供述しており、証人Oもこれに沿う証言をしている。
2 ところで、証拠(〈証拠・人証略〉、原告本人)、弁論の全趣旨によれば、被告の研修施設が群馬県の伊香保温泉にあり、被告に採用された者は被告の経営に係る各店舗で勤務し始める前に右の研修施設において四泊五日の日程で研修を受けることとされていたこと、被告に採用されて研修に参加した者について被告から従業員として賃金が支払われるのは被告の経営に係る店舗で勤務し始めてからのことであること、原告は平成九年八月二五日から同月二九日まで五日間にわたり研修に参加したことが認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
被告が行った研修とは、要するに、被告の経営に係る店舗で勤務するに当たって備えていなければならない知識や接客態度などを身につけさせることを目的として行われたものと考えられるところ、そうであるとすれば、研修に参加した者は被告の従業員に準じる者としてこれに研修に参加したことに対する手当を支給するということも十分あり得るものといえること、原告の入社当時の一日当たりの賃金は金一万六〇〇〇円である(前記第三の一2(三)(2)イ)のに対し、原告の主張に係る研修手当は一日当たり金一万円であり、ウエイターという原告の勤務の内容と研修の日程や内容などを対比すれば、一日当たり金一万円という金額の研修手当は決して非常識な金額とはいえないこと、以上のほか、前記第三の二1の原告の供述及び(人証略)の証言も考え合わせれば、原告は被告との間で研修に参加すれば一日当たり金一万円を支払うことを約したと認められ,この認定を左右するに足りる証拠はない。
3 以上によれば、被告は原告に対し研修手当として金五万円の支払義務を負っているというべきである。
企業の方で、残業代請求などについてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士費用やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、刑事事件や借金の返済、敷金返却や原状回復(事務所、オフィス、店舗)、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。
(4)そして、被告は勤務時間終了後の残業については原告の一か月当たりの賃金四〇万円に含まれていると主張していること、原告は採用面接の際に勤務時間は午前二時までであるが、営業時間の終了後に店内の後片付けもしてもらうことになるという説明を受けたが、面接の担当者から営業時間の終了後の後片付けについて残業代を支払うという説明はなく、また、原告も面接の担当者による説明に対し更に説明を求めたり異議を述べたりすることはなかったこと(前記第三の一1(二))、原告の入社した日と同じ日に被告に入社したOは採用面接の際に一か月の賃金が金四〇万円であるという説明を受けてウエイターの仕事にしては賃金が高いと思ったこと(前記第三の一1(三))、原告はその本人尋問において残業の時間を手帳に書き留めるようになったのは被告に入社してから二か月くらいしてからで、被告が倒産するのではないかという不安をもったことによるという趣旨の供述をしており、この供述によれば、原告は被告に入社してから二か月が経過するまでは残業時間を書き留めようと考えたことがなく、ましてや残業代の支払を求めたこともないといえること、以上のほか、原告の勤務時間内における午後一〇時以降の深夜の割増賃金(残業代)については原告の一か月当たりの賃金に含めることを合意したものと認められることも加えて総合考慮すれば、原告と被告は本件契約の締結の際に勤務時間後の店内の後片付けに対する時間外及び深夜の割増賃金(残業代)をも含めて原告の一か月当たりの賃金を金四〇万円(ただし、所得税などの控除前の金額)とすることを合意したものと認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない(なお、後片付けに要する時間は毎日おおむね決まった時間であると考えられるから、その時間外労働(残業)及び深夜労働(残業)に対する割増賃金(残業代)分をも含めた賃金の合意をすることは労働基準法三七条に違反するものではないと解される。)。
(5)以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、被告が原告に対し未払残業代の支払義務を負っているということはできない。
(五)右(四)によれば、被告は原告に対し未払残業代の支払義務を負っていないのであるから、原告の付加金の請求も理由がない。
二 争点2(研修手当の支払義務の有無)について
1 原告は、その本人尋問において、被告の採用面接の際に研修に参加すれば一日当たり金一万円を支払うという説明を受けたと供述しており、証人Oもこれに沿う証言をしている。
2 ところで、証拠(〈証拠・人証略〉、原告本人)、弁論の全趣旨によれば、被告の研修施設が群馬県の伊香保温泉にあり、被告に採用された者は被告の経営に係る各店舗で勤務し始める前に右の研修施設において四泊五日の日程で研修を受けることとされていたこと、被告に採用されて研修に参加した者について被告から従業員として賃金が支払われるのは被告の経営に係る店舗で勤務し始めてからのことであること、原告は平成九年八月二五日から同月二九日まで五日間にわたり研修に参加したことが認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。
被告が行った研修とは、要するに、被告の経営に係る店舗で勤務するに当たって備えていなければならない知識や接客態度などを身につけさせることを目的として行われたものと考えられるところ、そうであるとすれば、研修に参加した者は被告の従業員に準じる者としてこれに研修に参加したことに対する手当を支給するということも十分あり得るものといえること、原告の入社当時の一日当たりの賃金は金一万六〇〇〇円である(前記第三の一2(三)(2)イ)のに対し、原告の主張に係る研修手当は一日当たり金一万円であり、ウエイターという原告の勤務の内容と研修の日程や内容などを対比すれば、一日当たり金一万円という金額の研修手当は決して非常識な金額とはいえないこと、以上のほか、前記第三の二1の原告の供述及び(人証略)の証言も考え合わせれば、原告は被告との間で研修に参加すれば一日当たり金一万円を支払うことを約したと認められ,この認定を左右するに足りる証拠はない。
3 以上によれば、被告は原告に対し研修手当として金五万円の支払義務を負っているというべきである。
企業の方で、残業代請求などについてご不明な点があれば、顧問弁護士にご相談ください。顧問弁護士を検討中の企業の方は、弁護士によって顧問弁護士費用やサービス内容が異なりますので、よく比較することをお勧めします。その他にも、個人の方で、交通事故の示談交渉、解雇、刑事事件や借金の返済、敷金返却や原状回復(事務所、オフィス、店舗)、遺言や相続などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。