今回は、サービス残業の残業代請求に関する判例を紹介します。 
第二 事案の概要
一 本件は、被告に雇われていた原告が未払賃金などの支払を求めた事案である。
二 前提となる事実
1 原告は、飲食業を営む株式会社である被告にウエイターとして勤務することを約して雇用され(以下「本件契約」という。)、平成九年八月三〇日から同年一一月二七日まで稼働した(争いがない。)。
2 原告は平成一〇年一月二二日被告に対し本件訴状により金四〇七万〇二二四円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年六分の割合による会員の支払を催告し、同年三月一六日第二回口頭弁論期日において被告に対し金五一三万〇二四七円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済みまで年六分の割合による金員の支払を催告し、同年五月一二日第一回弁論準備期日において被告に対し金五一五万二二七四円並びに内金四〇七万〇二二四円に対する平成一〇年一月二三日から支払済みまで年六分の割合による金員、内金一〇六万〇〇五〇円に対する平成一〇年三月一七日から支払済みまで年六分の割合による金員及び内金二万二〇〇〇円に対する平成一〇年五月一三日から支払済みまで年六分の割合による金員の支払を催告した(当裁判所に顕著である。)。
三 争点
1 賃金及び残業代の未払の有無について
(一)原告の主張
 原告と被告は、本件契約において、一日の所定労働時間を八時間、休憩時間を一時間、一か月当たりの賃金を金四〇万円、毎月二〇日締めの月末払いとすることを合意した。被告は右の合意に基づき次の各金員について支払義務を負っている。
(1)未払賃金八九万六〇〇〇円
 原告の平成九年八月三〇日から同年九月二〇日までの賃金(以下「九月分の賃金」という。)、同年一〇月二一日から同年一一月二〇日までの賃金(以下「一一月分の賃金」という。)及び同月二一日から同月二七日までの賃金(以下「一二月分の賃金」という。)はいずれも金四〇万円であるが、一一月分と一二月分の賃金はいずれも未払であり、九月分の賃金は金三〇万四〇〇〇円として支給金額が計算されており、金九万六〇〇〇円が未払である。したがって、未払賃金は金八九万六〇〇〇円である。
(2)未払残業代金八九万二一三七円
 原告の勤務は午後三時から翌日の午前五時ころまでで、このうち休憩時間は一時間であった。原告は平成九年八月三〇日から同年一一月二七日まで別紙〈略―編注〉のとおり深夜に合計四二八・五時間の残業をした。原告の一か月当たりの賃金は金四〇万円であり、一か月を三〇日とすると、一日当たりの賃金は金一万三三三三円(一円未満切捨て)であり、原告の一日の所定労働時間は八時間であったから、一時間当たりの給料は金一六六六円(一円未満切捨て)であり、深夜残業に対する一時間当たりの賃金は金二〇八二円(一円未満切捨て)である。したがって、右の深夜残業(残業時間四二八・五時間)に対する残業手当(残業代)は金八九万二一三七円となる。
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