広角レンズってどんな感じに映んの?

しばらく時間が空きましたが、今回は実際の画像と一緒に広角レンズがどう映るのかを見ていただきます。

とある通販のCMで、このときはコンパクトデジタルカメラでしたが、ズームレンズの広角側についてこんなことを。
「狭いお部屋でもこんなに広く映ります!」。。。Σ(~∀~||;)

ちょっとびっくりしましたが、実は広角レンズの性格上、確かにそう言えない事もないのです。

前回の説明にも書きました様に、広角レンズでは画角を広く取ることができます。つまり広い範囲を取れるということで、一般的にもそう理解されています。ウェザーリポートでよく送る空の写真には最適ですね。
実際の絵ではこんな感じになります。(焦点距離はいずれも35mm換算)
機材は Olympus E-P1 + 14-42mm/F3.5-5.6です。


まずはほぼ標準の52mm
=宇-sora-宙= 観るレンズ-52mm横位置

景色自体が綺麗なおかげで、それなりに撮れてはいますが、人間の視野角はもっと広いので、実際に目の前に広がる景色からするとやっぱり空が狭くて物足りなく感じます。

そしてこちらが広角28mmになります。
=宇-sora-宙= 観るレンズ-28mm横位置

確かにより広く映っていますし、目にした景色の広さにはやや近くなってきました。空全体の様子も良く分かり、雲はごく一部に掛かっているだけで、快晴の空であることが分かります。

広角レンズって便利だなあ('-^*)/

ん、けどちょっと雲の細かいところや、遠くの橋の明かりも綺麗だったのにやたらと小さくて遠く感じるなあ。実際はあんなに遠くは感じないんだけど。。。

そうなんですね。人間の目は見える範囲は広くても、遠くの景色でも注視すると強く印象に残ります。また、広角は近くのものはより大きく、遠くのものはより小さく、つまり奥行感が深くなるんです。
視野角としては広角のほうが近くても、奥行感は標準の50mm前後のほうが人間の目に近い。そういうところから50mm前後を標準レンズとしているわけです。

また、広角レンズは広く撮れる反面で、撮る事だけに熱中すると何を見せたいのか良く分からない、ポイントのない写真になることがあります。広がる景色を広く撮るとだけに使うと、3次元の景色を2次元に押し込めるだけのものになり、自分が目にした世界の感動を伝えきることができないまま、安くはない広角レンズももったいないことになります。

一方でこの画角の広さとパースペクティブの良く出る性格を理解して写真を撮ると、2次元の世界だった写真は面白さを深めていきます。


広角レンズを寄りで使う

一般的に被写体に寄って写真を撮るというとマクロレンズを想像します。マクロというのはよく花や昆虫のクローズアップ写真で使用されるものですね。普段目にできないような微細な自然の芸術を抜き出して撮ることができるので、図鑑などでもよく見かける撮影方法で、好きな方も多い分野です。

ただし、、マクロはあくまで被写体にとことん迫って没入していく事が本質となるので、被写体がどういった環境にあり、どんな状況で撮ったのかということは、バサッと切り離してしまうことになります。

被写体そのものも目立たせたいけど、シチュエーションも伝えたい。そういった時にも、広角レンズの出番になります。奥行感があるので、近くのものはより大きく映り、画角が広いので背景も大きく映りますが、少し距離があればより遠く映るので邪魔にもならない。

というわけで次の写真、同じく52mmから

=宇-sora-宙= 観るレンズ-52mm縦位置2

こちらが28mm

=宇-sora-宙= 観るレンズ-28mm縦位置2

被写体が、ほぼ同じサイズになる様にして撮りました。あまり良い写真ではないのですが、例ということでご容赦を。
背景の映っている範囲と距離感を見比べていただくと、広角のほうが周囲の状況が分かりやすくなっていることに気づいていただけるかと思います。

パースペクティブを生かしてデフォルメを

奥行感が深いということを生かすと、標準で撮った絵よりインパクトが出てきます。
絵画でいうところの1点透視図法や2点透視図法の様に、平面的でなく立体的で遠近感のある絵になり、構造物が立ち並んでいる被写体の場合は一層、インパクトが出てきます。

52mm、28mmの順番で

=宇-sora-宙= 観るレンズ-52mm縦位置


=宇-sora-宙= 観るレンズ-28mm縦位置

ご覧のように、奥の建物との距離が広角側ほど遠くに感じられ、橋の上の街灯の列も遠くの街灯はさらに遠くにあるように映ります。
もう一つ、近くの街灯の映った角度を見てください。広角の方が傾いてますよね。街灯の上のほうが距離が遠いので、これも放射点に向かって角度が付いて映ります。

さらに広角でワイドコンバータレンズを付けて22mm相当で撮るとこうなります。
=宇-sora-宙= 観るレンズ-11mm縦位置

こんな感じで、広角レンズを使うと実際よりも橋の向こうがはるか彼方にある様に映ります。

というわけで、「狭いお部屋でも広く映ります~!」はあながち嘘でもないのです。

では、今夜はここまでとさせていただきます。
次回は望遠レンズの方をやってみましょうか。












ソラトモさんからのご質問

空の写真を撮りたくて、一眼を買おうと思っているとのことでした。でも素人だから教えてくださいって。
人にお教えするほどの実力も知識も大してありゃしませんが、頼られればできる限りのことはってことで。

まずは「広角って?、何mm?」

そりゃそうですよ。知っていればわかることでも、最初はわからないことだらけですよね。
カメラは光学機器。細かいことを理解しようとすると、数式も必要になりますが、ここはなるべく難しいことはなしにして、なるべくわかりやすい言葉で説明します。

レンズの何mmってなんなん?

カメラのレンズかどうかを問わず、レンズには焦点距離というものがあります。これは無限遠の距離から来た光がレンズの反対側で一点に集中する距離のことです。
たとえば虫眼鏡でお日様の光を集めて紙を焼く実験がありましたね。
レンズが紙から遠すぎても近すぎてもお日様の光はぼんやりで紙は燃えません。
正しい距離にあるときだけ、お日様の光は一点に集中して、紙からは煙が出ます。
このときのレンズの中心からの距離が、そのレンズの焦点距離ということになります。
だから焦げる点なんですね。

真ん中が分厚い虫眼鏡だと、レンズと紙の距離は近くなります。→光の屈折する角度が急→焦点距離が短い
逆に真ん中が薄いとレンズと紙の距離は遠くなります。→光の屈折する角度が緩い→焦点距離が長い

ここまで来たら、もうお分かりですね。
そう、焦点距離が短いほど、広い範囲の光をググッと集められるってことになります。
こんな風に広い範囲(つまり画角)を捕らえる、焦点距離の短いレンズが広角レンズ、逆に狭い範囲の光を捉えるのが望遠レンズってことです。

ほな広角て何mmからなん?

実は画角は、焦点距離だけで決まるものではありません。イメージを結ぶフィルム、デジタル一眼ならセンサーとかイメージャのサイズにより変わります。広いイメージャならより広い画角になりますし、狭ければイメージの内の一部分だけが映るということになるので、より望遠側に寄るということになります。

なんと、デジタル一眼はこのイメージャのサイズがメーカーや機種によって違ってくるのです。
ただしフィルムの一眼カメラの一こまのサイズが24×35㎜。これは共通です。
デジタル一眼の場合は、これと同じサイズのイメージャをフルサイズとして、このほかにAPS-Cはこれより小さくて23.4×16.7㎜(これがまたメーカによって多少違います)、Olympus、Panasonicのフォーサーズになるとさらに小さく、17.3×13.0㎜となります。

したがって、同じ焦点距離のレンズでも、どのデジタル一眼を使っているかによって、画角が変わってしまいます。

幸い、多くの場合はレンズのカタログなどには、基準としてフィルム一眼の場合で同じ画角になるのが何mmかってことを「35㎜換算」として掲載してあります。

この35㎜換算でいくと、標準とされる画角を得ることができるのが大体50㎜とされています。
これより短い焦点距離のレンズが広角側、長い焦点距離のレンズが望遠側となります。
最初に手にする一眼の場合、標準ズームレンズとセットで購入することが多いと思いますが、この標準ズームは、25㎜~100㎜位のことが多い様です。

さらにこの範囲に収まらない範囲になってくると超広角、超望遠となってきます。

さて、ご質問いただいた方には、ウェザーリポートの共感でお答えした内容と重複することになりますが、今回はここまでとさせていただきます。今回は文字ばっかりですいません。

次は、焦点距離と画角の関係を実際の画像で見ていただきたいと思います。
イロハもみじは、真っ赤になった木もありましたが、まだまだ3色混じったもみじも多く、
来週には見ごろになるかなといったところです。


=宇-sora-宙= 観るレンズ-3色いろはもみじ


紅葉とは違うのですが、疎水沿いで久しぶりにヤマガラを見ました。晩秋から晩春にかけて疎水沿いの木々に現れる野鳥の一種、今日はヤマガラだけでなく、エナガも一緒に見かけ、コゲラの声も聞こえました。


=宇-sora-宙= 観るレンズ-ヤマガラ

シジュウカラやヒタキはまだ見ていません。