ここ最近の読書。
一昨日読み始めて、
当然の如く面白いのは、これ↓
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久生十蘭: 文芸の本棚 評する言葉も失う最高の作家
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あーもー、あーもー、十蘭愛してるーー!
定期的に叫んでいく方向で。
ファンも語る人もそりゃあそこそこ多いのに、十蘭について言うことの幅は極端に少ないのだと、最近気が付く。
解説は多岐に渡るが、それは十蘭の取り入れている内容か多岐に渡るが故。
おそらく全員の持っている久生十蘭イメージが相当部分一致してるんだよね。
Aさんが語る夏目漱石とBさんの思う夏目漱石は多少なりとも差異があったり解釈が違うのだろうけれど、十蘭を語る人って基本、十蘭に平伏しているというか、全肯定しているところから入るのが面白いなと思う。
たまたま昨日は中井英夫の誕生日。(竹本健治も)
上の本に収録されてある、中井英夫が久生十蘭全集(三一書房版)を出すに当たって作成していた編集ノートが、これまた凄い資料。
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久生十蘭全集 1
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三一版全集というと夢野久作全集(黒)が格好いい装丁なのだが、久生十蘭全集については夢野久作版を多少念頭に置いての編集だったらしい。だから、こちらは白。
自分は、作品テキスト以外に本当に興味が薄くて、たまには研究本的なものを読もうとした結果だが、これはこれで本としても面白い。
それでいて皆、同じように語るのだなと改めて思う。
まさに「評する言葉を失う」。
十蘭は十蘭として存在する。