雨だね | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

全然いろんなことに集中できていなくて、
仁木悦子の「三影潤全集〈白の巻〉」を無理矢理読了。
久々の夜更かしであった。




三影探偵は仁木悦にしては、いわゆるハードボイルドな主人公だ。
しかし、やはり本格風味な端正な世界が構築されており、
乾ききった都会である東京(収録作では、もはや人の住める場所ではない都心の一角にしがみつき、のような表現もされてしまう場所)を舞台にしながら、
なんて潤い、整った『作品』群だろうと思う。
そして、
犯人じゃない関係者の思わぬ行動が、リアルなのも仁木悦作品の特徴。
昔で言うところの『人間が書けている』(笑)ミステリ作家なわけで、
勿論、三影探偵の魅力も、スーパーヒーローであったり、ハードボイルドにありがちな極めたアウトローであったりするのではなく、
人として堅実に生活しているのだろうと感じる部分が結構大きいのではないかと。
まぁ仁木悦作品は、読んだら幸せになれます
とだけ言って、暫くぶりの走り書き更新は終わります。