いい仙石 | 猫の島調査報告書

猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

ただいま帰宅(・ω・)/


腹が減ったお。





弁当を食べながら、軽く1冊紹介。


以前、「背伸びして情熱」という怖い作品集に出会った。

どう見ても少女漫画な、

しかもお世辞にもすごく上手いとは言い難い絵

(柳原望を雑にした感じ?)の

4コマ漫画である。しかも短編集。


しかし、これが怖いのである。



決してホラーものではない。

表題作も、少年と先生(表紙のかわいこちゃん)との恋愛を描いたものであるし、

どろどろとした人間関係やスプラッタも出てこない。

ほんわかとした絵柄にマッチしているように見える、ささやかな幸せといったような作品たち。


しかし切り口が既存の枠にない描写を、

自然に、当たり前に画面に出している。

姉弟恋愛もののように、これと明瞭に表出している非常な設定は少ないが、

忘れてはいけない、生きていく以上必ず有る身を切るような寒さを感じた1冊だった。

背伸びして情熱 (まんがタイムKRコミックス エールシリーズ)/仙石 寛子
¥860
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さて、

そんな作者の同じく2冊目(?)短編集が「三日月の蜜」である。

今回も表紙は可愛らしい。

三日月の蜜 (まんがタイムコミックス)/仙石 寛子
¥860
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表題作は、喫茶店バイトの青年と娘と、常連客の女性の間で繰り広げられる

恋愛劇である。

あー設定だけ書くとなんて普通。


多少の驚きの展開はあれど、多分現代人の感覚的に

ほんのささいな漫画的事項でしかない。


なのにも関わらず、

後半収録の各作品で、

等身大青虫と初詣に行く青年だったり、(「キラキラ青虫」)

牛とラブラブのバニーガールだったり(「ちょっと早いけど干支」)

を微笑ましく見ている頃にやっと、

ほんの少しの毒がやがて全身に回るように、

作品の奇妙な味にどっぷりと漬かっていることに気づくのである。


個人的に今回の怖い大賞は、「レンゲリンネ」。

よーじょと守護霊という使い古された設定ですが、これもまたよし。


作品中でいろいろ説明しすぎていると思うのに、

なんで過剰に感じられないのか、


謎でお気に入りな作家の1冊である。