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流石に朝は無理かった(笑)
今日の1冊は、予告どおり
「もう一人の私」/北川 歩実/集英社文庫。
総タイトル「もう一人の私」が一貫テーマの短編集です。
多彩な作品で、なかなか濃い時間を過ごしました。
面白かったのは「分身」始め何作か、
来るぞ来るぞきt……あれ、いい話? みたいな思わぬ流れがあったところ。
半分くらいは定石というか古典的な作品だったのだけれど、文章の妙味で楽しめました。
どれも現実に起きそうな怖さというか、ちょっとしたズレが気がつくと目の前に広がる状態。
長編だと作品内のテンションのバラつきが気になった作家だったけれど、短編はそのテンションの高いところのまま作品がギュッと凝縮されたようで、かなり好みです。
中でも1番好みだったのは、
普通の中高生がいきなり巻き込まれる「渡された殺意」。
中オチも秀逸かと思います。
どんでん返しでは、
パソコン通信相手の美女(?)にはまる中学生と塾教師の「月の輝く夜」。
世界のひっくり返しと共に、結末の方向性にも驚きました。
後、ブラックなショートショートを思わせる「閃光」。おわあ、頑張ろう。日々前進やね。
高校時代の思い出がおおっぴらに口に出せず、吐いた嘘から人に恨まれるという「ささやかな嘘」は主人公が頑張り過ぎてるので、まあ楽しめたのだが(、それでもオチは厭だが)、
一番怖かったのは「婚約者」だね。
ある日マンションに帰ると、自分の部屋の前に美女が1人。
この部屋に住んでる人の婚約者です、なんて言われたら
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なんかあれ、本当に巻き込まれそうで嫌だ。