混沌 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

 
「乱と灰色の世界」1巻 /入江 亜季/エンターブレインBEAM COMIX。 
 
 
この人の描く女性好きだなぁ。 
特に、長身で胸と腰がバーンとしていて、太股が蹴られたら痛そうなほど張っている健康美タイプの母親。
「群青学舎」の七色シリーズの三兄弟の母もだけれど、こういう外見のキャラクターって、なかなか自然に家族関係の内に登場させてこないと思っていたので嬉しい。
 
 
 
基軸は、
はねっかえりの小猿な小学生の少女・乱が主人公で、
兄の陣(高校生ぐらいだと思われる)、父、母の4人家族の物語、な筈。
 
 
日本家屋や、家の中の生活感溢れる絵はいつもながら情報量が多くて凄い。
また、とある事情にて母は同居していないのだが、普通のシーンではちょっと光量の足りない画面が、母の居るシーンでは明るめに描かれてるんだよね。
(この辺りネタバレ要素が強いので割愛。2巻が出たらもう少し詳しく記す。)
実は最初、陣が父親かと思ってました。
しかしお父さんはあのお母さんと結婚したってだけで凄い。我が身に振り替えるとそんな度量はないもんなー。
 
 
途中でひょんなことから乱と知り合ったセレブな青年・凰太郎の居るシーンも、明るい印象。
この2人、どうなるんだろう。
(いや、どうもならない方が楽しそうだけれど。)
凰太郎が乱を起こそうとするシーンの乱の横顔が本気美人。
 
 
御館様・静さんのおうちが和風なのも面白い。神性の高いアルピノって感じか?
あの扉のところと、次のお祭りの屋根に座る凰太郎の構図を被せてるのはわざとかな。
続きの乱のキラキラ�シーン良い。もっとやれ。
 
陣の、凰太郎はすごい臭いがする、の解釈がどう取るべきなのか。超俗物な人間の生臭さなのか、もっと妖怪的な臭いなのか。個人的には「人間」に一票なのだが。
 
 
うん。
未だ登場キャラクターが出揃ってすらいなさそうだな。
凰太郎の眉毛と今後の展開が大変気になる1冊でした。
 
題名が、多分作者の意図するところとは別に好みだ。