笑う招き猫 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


8月も後1週間ですが、今日も暑かったですね。
皆さま熱中症にはくれぐれもお気をつけ下さい。

さて、順調に遂行されています『夏の10冊計画』から1冊ご紹介。

「笑う招き猫」/山本幸久/集英社文庫。
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「いくよ、アカコ」
「合点、ヒトミ」

某有名陰陽師と風雅を愛する武人のような名コンビがここに居た。

主人公は「アカコとヒトミ」。
表紙左:ずんぐりむっくりながら俊敏な動きで物真似の得意なアカコ
表紙右:180センチもある地味な美形で脚本担当のヒトミ。
2人が、漫才コンビとして舞台に踏みだすところから物語は始まる。


あがく姿はカッコ悪い。
うまくいかないと子供返りするアカコや、冷静なつもりでやっぱり周りが見えていないヒトミはヒーローじゃない。
何のために漫才なんかやってるの?
28にもなって売れない芸人キツくない?
なんて声も聞こえてくる。

さあ、こんな問いに彼女たちの出した答えが知りたいかたは、是非々々作品をお読みくだされ。


大方の予想どおり題名から選んだ1冊。
お笑い素養が皆無な硲には高いハードルかと思いきや、ちょっと甘いけど温かい話に頭をほぐされた。
主人公たちが可愛い、そして格好悪いが格好いい。自転車全力疾走がクセになる1冊だった。
まだまだやれることはあるね。



しかし地理的なことを考えるとヒトミの脚力は半端ないな。