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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

「レインツリーの国」/有川浩/集英社文庫。



まず、
あとがき・解説はネタバレるので、後から読みましょう。

レインツリーの国 (新潮文庫 あ 62-1)/有川 浩
¥420
Amazon.co.jp



そして感想。
恋愛ものもいいですね。(なにしろこの前は「三匹のおっさん」だったので(笑))
言葉の好きな人が書いた、気持ちいい、痒いところに手の届く作品でした。


恋愛は
この面倒くささが醍醐味だなぁ。
もちろん伸のように男前ではないし、ひとみのように突き詰めた真面目さでもないけれど頑張ろうと思いました。まだ頑張りたい。

構成的には、
「フェアリーゲーム」という1冊の本の感想を通じてブログ上で知り合った2人が、最後に自然に「フェアリーゲーム」に戻ってきたところが一番感動した。
いや、それが主題なんだけれどw、気持ち的にあれが終着であり始まりとして呼応するのは綺麗な証明を読んだ感覚だった。



ひとみの「ある理由」については新宿紀伊國屋2階の待ち合わせのところで、ああ、と思い、伸に早く気づいてほしいような、でも、ひとみが言わないのなら気づかないでいてほしいようなハラハラ感が。
章ごとに視点が変わるのが好きです。
思い当たる場面は多々あって、頭の中からむずがゆく掻きむしりたくなることしばしばでした。
(最後のは、すいません「パノラマ島綺譚」好きなんで。普通にそうだとしか思ってませんでした;)


さて
この記事には、ひとみが伸に会うことを躊躇した一番大きな理由は書いていません。
この理由は、「図書館戦争」シリーズを読まれたかたにはお判りのことと思います。しかし自分はシリーズ未読の上、「レインツリー~」のレビューも殆ど見ていない状態で読み始めました。
そして、その状態で読んで良かったと思うので伏せてます。
『ネタバレが嫌だ』以外の他意はありません。


解説まで読み終わった今。
この本が出版され文庫になり、
簡単に読める形態になって良かったと思うのです。