野菜や果物や、もしくはバターを落としたほんわりオムレツを想像してくれたまえ。
気に入ったフレーズを抜き出そうとしたら、
後から後へと続いて
多分まるごと1冊になる。
そんな小説だった。
「卵の緒」/瀬尾まいこ/新潮文庫。
- 卵の緒 (新潮文庫)/瀬尾 まいこ
- ¥420
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<収録作>
●「卵の緒」
小学生の育生は、お母さんの本当の子供ではないと本気で疑っていた。いや、気づいていたと言うのかな。
そんなことは問題じゃないのだが。
育生はそれでも母の愛情や、自分の愛情を疑わない。
この母さんなら卵で僕を産むこともありえるだろう。(P.21)
「私の表現能力は類いまれなものがあるのよ。とくに育生に関してはね」(P.35)
なんて、自慢気に言える母だもんな。
●「7's blood」
高校生の七子と、
突然同居することになった腹違いの小学生の弟・七生の二人きりの生活。
愛人の子である七生はなんでもそつなくこなし、しかしその人好きのする様子が七子を苛つかせていた。
ケーキのくだりは泣いた。
この子たち、かわゆすのぅ(´∀`*)
人間もっと素直になっていいと思わせてくれる作品だった。
いろいろ上手くいかないっ! て
テンパっているひとに、オススメ。