「猫のつもりが虎」/丸谷才一/文春文庫。

1990年台初頭の、
なのにも関わらず時代を感じさせない
いつもの丸谷才一エッセイシリーズ。
初出は雑誌「JAPAN AVENUE」。
「一昨年、1989年のこと」とか
「大洋ホエールズ」とか
いきなり出てくること以外、
今でも同じような論調展開をさせてくる。
文章自体は少しさっぱりしている。
「金枝篇」は絶対に言及するんだなぁ、と思う。
あ、「黄金の枝」ですね(笑)
オーチャードホールの使えなさや
(←見た目以前に、そもそも音が……)
クレオパトラの顔や
新しい視点の国旗論wに頷き、
純然に趣味の問題として、
東照宮っぽい煌びやかな日の丸もいいなぁ、なんて思う。
一番好きなのは芥川の絡む「夜中の喝采」。
中谷治宇二郎の小説の1文に関する謎解きですな。
(じゅうじろうと読むのか、その儘じうじろうなのか。
音便化でやっぱりじゅーじろーなのか)
自分の勝手な位置付けでは、
芥川は、テレビで見るアイドル
丸谷は、近くの中高一貫進学校の文武両道な生徒会長(優等生タイプではないが他校にファンクラブとかあるような)
そんな感じ。
読むと自分で調べものをしたくなるそういう一冊だった。
最近面白いことねーなって人にオススメ。