1日1冊に | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

抑えた方が、記事読みやすいですよね?
と思うが書きたいものは書きたいので、今日もブログに放りこむ。


「モノレールねこ」/加納朋子/文春文庫。

モノレールねこ (文春文庫)/加納 朋子
¥530
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短編集。

納められているのは設定も視点も違う短編なのだが、一貫した印象を受けた。
大半の話に大切な人が亡くなるエピソードが絡むので、一気読みは少し辛いかも。

無くしたり埋めたり埋まるわけもなかったり忘れていたり、確実に絡めとられている何かが誰にでもある。
古傷に例えられてしまう、また時には今まさに負っている傷かもしれない、だけれども『今の自分』を作り上げている何か。
それを見つけ、向き直って前に進む。
そんな物語。



「モノレールねこ」
それはぶちゃいく極まりないデブで毛色の入り混じった猫。家に出没するその首輪にメモを挟んだら返事が! 猫を間に手紙のやり取りをする2人の小学生。"算数は苦手"なんて他愛ない内容だったが、ある日……
"モノレールねこ"って言葉がまたドキドキする。


「パズルの中の犬」
人を待つのが苦手で、今晩もジグソーパズルをしながら夫の帰りを待つ。少しずつ進む白一色の画面に、ある時模様が見えた。
人のすれ違いとより戻された幸福の話。生きてれば遅いなんてことはない。


「マイ・フーリッシュ・アンクル」
叔父は働かない・外に出ない。世間ではニートって言うらしいけど、そんなかっこいい言葉似合わない。
祖父母が慈しみ父が守り、嫁いできた母が世話をして、やがて生まれた私と2人取り残された男の純情がきらきら光る。後からハガキの言葉が心に残る。


「シンデレラのお城」
今日私達はディズニーランドに行った。私と夫は仲がいい。私と、夫の妻も仲が良い。不思議な夫婦の物語。


「セイムタイム・ネクストイヤー」
亡くなった幼い娘を思い黄昏ホテル――会いたかった人に出会える古く懐かしいホテルへ。


「ちょうちょう」
大学を出て晴れてラーメン屋の店主に! 有名本店を持ち、新築の内装良しスタッフ良しもちろん味も良し。絶好調に思えたのだが……


「ポトスの樹」
俺が生まれる前からぐうたらで傍迷惑な父は、俺が結婚する頃にも態度が変わらなかった。ところが或る日曜日……。


「バルタン最期の日」
俺はザリガ二だ。池に住んでいた。今はフータ・お母さん・お父さんの家で瀕死。
まさかのザリガニ視点の家族と1匹の物語。




↓ハードカバーの表紙も可愛い。

モノレールねこ/加納 朋子
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