あれ? | 猫の島調査報告書

猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

気がついたら、
本読み感想の記事が極端に少なかったので慌ててメモを上げてみる。

「末枯・続末枯・露芝」/久保田万太郎/岩波文庫。

東京の噺家を取りまく人々の小説。
で、いいのかな。間違ってはいないが、こんな紹介じゃあ何も言い表せていないな。東京だが、まだ江戸が濃厚。


「末枯(うらがれ)」は、盲目の噺家・せん枝、才能は有るのだが何かと不義理な扇朝が中心。藝と人格がどう折合いをつけるものなのか。
「続末枯」では、せん枝が扇朝の才能について口論していた相手、元遊び人の鈴むらが中心。
「露芝」は、また視点が変わって店の奉公人から見た同僚のこもごも。会話にでてくる"新さん"は、せん枝のことかと思ったり。


人情や季節情緒といった和の小説なんだろう。
題名のとおりのうらかなしさ、しみじみとした懐旧や意地は心に刺さる。

末枯・続末枯・露芝 (岩波文庫 緑 65-2)/久保田 万太郎
¥525
Amazon.co.jp