ということで数的推理に埋もれている昨日の1冊。
- 江戸川乱歩の推理試験 (光文社文庫)/著者不明
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「江戸川乱歩の推理試験」/ミステリー文学資料館・編集/光文社文庫。
犯人あて短編集。
執筆陣がまたもや豪華っぽい。一部、初読みな方々も。
密室が多くてウハウハだったが中盤は一体何人の画伯が死んだことか。日本家屋と密室が相容れないためのアトリエ多用であるのか。
クイズ風味の前巻「~推理教室」から比べると懸賞小説として出された作品が多いので、こちらの方が読みやすいかと思う。
個人的には鮎川哲也と飛鳥高が入っているので満足。「落花」は条件が甘い気がしたけど、「薄い刃」いいよいいよー。
けっこうな数の作品が収録されている中印象に残ったのは、
・土屋隆夫の「九十九点の犯罪」の小道具。
小学生の時に読んだ推理小説を思い出してしまった。二股をかけられた女がもう一人の女を殺す話。現場には情交の跡があったので、警察は二股かけてた男に疑いを持つのだが、結局は女を逮捕。液体はあれども下の毛が残ってなかったという理由で。
それを思い出してしまったがゆえに、この作品もハラハラし通しでした。
・永瀬三吾の「呼鈴」のトリック(?)。
話はつまらなかった(失礼)が、アレを是非映像化して欲しい。鬼気迫る画が撮れるだろうなぁ。
・楠田匡介の「表装」。
面白い短編小説として読んでしまったが、ミステリとしても驚きだった。亡くなった画伯の一生を詰めて書いたら長編小説にもできそう。
最後の2編は見取図が立体系でした。平面図じゃないの珍しい。
更に、乱歩と大下宇陀児センセとのやり取りが凄い勢いすぎて笑える。
解答者の大下センセが乱歩に質問をするのだが、役になりきって答える乱歩先生。「ええ、ございませんの」って女性役もか! オリュンポスの神々が激論を闘わせていたわけです(笑)
またもや少年探偵団出演短編も収録なのでファンのかたは要チェキでお願いします。ノロちゃんとか、あの人とかその人とかもいたぞ。
解説は新保教授(○ω○)。
氷川瓏ももう一度探して読み比べるか。
今年に入って新しい作品を読んでいないな。もっと手を広げよう。
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