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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

「星を拾う男たち」/天藤真/創元推理文庫。

星を拾う男たち―天藤真推理小説全集〈13〉 (創元推理文庫)/天藤 真
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短編集。
ともかく最後のオチの切れ味が凄い。

コン・ゲームが好きなかたに、
人情噺が好きなかたに、
本格ミステリが好きなかたに、皆々様にオススメでございます。


●「天然色アリバイ」
1回目読み終わった時、何が起こったか解らなかった。最後は辻三六が××されたんだよね? そういう結論でおっけー?
奥さんとのやりとりがコミカルでふふって感覚があった。
現代の技術でも、このオチにいくだろなー。

●「共謀者」
一番取っつきが良かった作品。水銀溶液オソロシス(((゜д゜;)))
冷静に考えるとこの人いつまで続けるのだろう。

●「目撃者」
切ない……。
ボスの奥さんが強請りにあったため、大物を暗殺しにいく主人公。仕事は完璧こなしたが、予想外の「目撃者」のために捕まってしまう。
ボスは分かっていたんだよな。一石二鳥なのは解るが切ない。

●「誘拐者」
男カワイソス(>_<)

●「白い火のゆくえ」
炎の図柄の記念切手シートに翻弄される人々。
連載誌は「中2コース」ということで中学生が主人公で場面転換が多い。
昔の中学生は大人やんなぁ。

●「極楽案内」。
工エエエェ(´Д`)ェエエエ工
いやいいんだけど、いいんだけど釈然としねえええ。
鮎川哲也の犯人当てに近いタイプの作品がありますな。読む分には面白いです。

●「星を拾う男たち」
表題作。
密室分類論理に基づいた結論への持って行き方もさることながら、会話が描写が文章が面白い。本格ミステリで人間が描けないなんて言ってるやつは100回読んで出直せばいい。


●「日本KKK始末」
これは( Д )      
              。 。

会社社長である父から、父の犯した詐欺汚職の罪をかぶってくれと言われた息子。
金額にして3億(※しかも1960年代)。
追いつめられた息子夫婦は父を殺して保険金で示談に持ち込もうとするが……。
結局父はどうしたのだろう。読み終わっても疑問が残る。

●「密告者」
調査部の仙石女史シリーズ。いわゆるサラリーマンの職業探偵だ。
とても古典的なトリックだが、何層にもなっていて楽しめる。切り口が目からウロコで面白かった。在る事象を裏返すと見えるものがある。


●「重ねて四つ」
仙石女史シリーズ。
こういう大学教授いる! 専門バカで浮き世離れしてて、だけれども運が良くて大禍に合わないタイプ。
話の筋も、登場人物の行動もバカバカしいことこの上なし。ベタ褒めるよ。
そして仙石女史の可愛らしさを愉しむシリーズなんだろうか。

●「三匹の虻」
「星を拾う男」と同じように推理が二転三転する筋。
かなり早くオチが分かってしまったので何となく評価しにくい。
読み終わると題名の意味が解る。


時代が古いところはあるけど、楽しかったー(*´Д`)=з