あしながおじさん へ | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

君は「あしながおじさん」を知っているだろうか。



では

君は「ジルーシャ・アボット」を知っているだろうか。

住所録の一番前にあったという理由でその苗字をいただき、
長じてひょんな幸運から実力を発揮できる場を与えられた、
ユニークでユーモア溢れる

我らがジュディを。





今までの問いに頷いたならば

君は「ジョン・グリア孤児院」を知っているだろう。




嵐は、ジュディ・アボットが大学に飛び立って何年もたったある日、
ジュディが育てられたジョン・グリア孤児院の前に
一人のうら若き婦人が降り立ったところから始まる。






「続 あしながおじさん」DEAR ENEMY/ジーン・ウェブスター/新潮文庫。


↓新潮の表紙がなかったので偕成社版。この絵は新潮文庫にも挿絵で入ってます。

あしながおじさん (続) (偕成社文庫 (4061))/ジーン ウェブスター

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さてここで、かの婦人を紹介しておこう。

彼女の名前はサリー。
新しく孤児院の院長に指名された女性だ。
ジュディではない。







しかしごくありふれた、サリーという名前に誤魔化されてはいけない。



サリーは、マクブライト家の令嬢であり



ジャービス・ペンデルトンおじさまの姪



そして


ジュディの学友『高飛車』サリー、その人である。






作者ジーン・ウェブスターは40歳で天に召されたが、
彼女があと30年長生きをしたら、と考えてしまうのは仕方がないことだろう。