「23:00」/マツモトトモ/白泉社文庫。
●表題作の「23:00」(にじゅうさんじ、と読みます。)は随分と早い文庫化の印象があったのだが、初出平成13~14年とのこと。
ダンスもので、毎度のごとく可愛い天然系女子(注・けして「おっとり」と同義ではない)と、野生味あるモデル系男子が中心です。動きのあるシーン数が多いので、この静かな画風が惜しいところかな。ギャグシーンは華々しくて◎
その他収録作は、6編。
最近の「SとM」以外は初期コミックスからのちょっと変味王道チョイス。
結構お得感あり。
●「ウワサ」
寡黙で恐れられている真島くんと、日本人形のような美人で近寄りがたいと言われる仁川さん。
ある朝、真島くんは仁川さんの意外な姿を目撃してしまう。
そんな2人の新しい噂とは?
ともかく吉牛にいきたくなる。
●「あの夏」
米軍基地近くの女子高生と、基地に住むハーフの金髪碧眼少年のひと夏の出逢い。
●「Osaka Life」
修学旅行に来た大阪で盲腸になって病院に取り残された日比野。
同室のトヨナカはいい奴だが、同じく同室の893さんは東京モンが大嫌いだ。
日比野はバレないように必死で大阪人のふりをするが……。
●「よくある話。」
なりゆきで献血センターに入った山口君は、そこでオナチュー(懐かしい単語だ)の引田さんと再会する。
それから4週間後、献血が趣味の引田さんを思い出し、山口君は再度センターへと足を向ける。
●「SとM」
題名、直球で来ました。
うん、それだけ。
そして
今回の目玉はこれっ! 「眠る姫」!!
やっとやっとやっとコミックス収録されたよー。待ったよ13年!
ララDXの切り抜きが漸く処分できる。
●「眠る姫」
眠る姫=事故で植物状態になった斉藤祥子・15歳。
彼女と、彼女の部屋を担当する看護士の物語。
そう、分類するなら物語、だな。問題ありなので収録されないのかと思っていた。最後のページに至るまで彼女の台詞が好きだ。
絵柄はあの方の影響受けまくりだが、デビュー作でこの展開、このキャラ。今よりも面白いと言っては過言か。