(12日サッカーW杯、ブラジル3―1クロアチア)
黄色に染まった会場が、一瞬静まりかえった。前半11分、クロアチアのクロスをDFマルセロが自ゴールに入れてしまった。
ブラジルと言えば、高いキープ力を生かしたパス回しのイメージがある。だが、最後方から一気に前線へ放り込むのも攻撃パターンの一つだ。特に右サイドバックのアウベスは敵陣深くまで入り込んで球を受け、好機を作る。
この日は何度もその背後を取られた。オウンゴールの場面も、アウベスがいないスペースを速攻で突かれたのがきっかけだった。同27分にはFWネイマールがひじ打ちをしてしまい、イエローカード。ブラジルはリズムを失いかけた。
ネイマールをはじめ、主力のほとんどがW杯初出場。崩れてもおかしくない場面だったが、踏ん張った。
同29分、ネイマールのシュートで同点に追いつくと、後半にも幸運なPKを得て勝ち越した。「選手たちは素晴らしかった。冷静さを保ち、強い逆転への意志があった」とスコラリ監督は言った。
勝ったものの、前線から球を追いかけ、速攻で崩すプレーは少なかった。「ブラジルはネイマールに依存しているのか。そうではないと言いたい」とアウベスは大会前に話してい たが、結局はネイマールの個人技に救われた形だ。
動きの重さはプレッシャーのためだったのか。苦しみながらも、何より必要だった勝利は得た。あとは持ち前の連動性を高めていく必要がある。(柴田真宏)