サービスの複合化などで買いモノは多様化してきている。ここにはコスト削減やコストの見直し、サービス内容のレベルアップなどのチャンスがあります。
コスト削減を実施する上で機会があるかどうかは重要なポイントの一つです。
コスト削減の機会とは体系化してみると6つ程度の機会に整理できます。この
6つの機会の中で最近よく出てくる機会として「サービスの複合化」が上げられる
でしょう。
これは単に一つのモノを買うだけでなく、複合化したモノを買ったり、モノにサービスを付加したものを買う、ということです。
パソコンを例にして説明しますと、以前はパソコンを購入する場合にはモニターと本体場合によってはOSやアプリケーションソフトをセットで購入することはありました。
最近はそれに加えて様々なサービスが出現しています。例えば、パソコンのハードだけでなく、指定したソフトのプリインストールのサービス、キッティングというパソコンの設置サービス、それから保守運用のためのコールセンターサービス、ソフトウエアのアップグレードやネットワークの監視サービス、その他にも資産管理のサービスやリースのサービスなど様々なサービスが複合化されつつあるのです。
このような「サービスの複合化」は従来であればサプライヤはパソコンメーカーが主だったものが、商社やリース会社、運用保守をメインとしている企業がサプライヤの候補になってくるなど競争が厳しくなってきています。つまり「サービスの複合化」によって様々なサービス提供者が競争する状況になり、このような状況を「コスト削減」の機会として捉えていきましょうということなのです。
このようなサービスの複合化という視点で切り離せないのがライフサイクルコストでしょう。ライフサイクルコストはモノやサービスの購入から廃棄までにかかる生涯費用のことです。設備等の使用期間が長いモノの購入時には、初期費用だけでなく運用費用を合計したライフサイクルコストの視点で比較検討することが必要と言われていますが、サービスが複合化するに従って、ライフサイクルコストの視点が欠かせなくなっています。
このようなサービスの複合化は買いモノの仕方を多様化させており、買い手の要求に基づき適正な買いモノを比較検討することにつながっているのです。
この買いモノの多様化はBtoCの世界でも進んでいます。
代表的なのは車でしょう。
今まで車を買う場合、一般的には現金で購入するかローンで購入するか、という
選択肢しかありませんでした。それに対して個人向けの自動車リースという選択肢が出てきました。また自動車を常時持たない人が自動車を使うための選択肢としてはレンタカーという手法がこれまでは主流でしたが、それに加えてカーシェアリングという手法も出てきています。
私自身車は10年程前からは車の購入にはリースを活用しています。リースでも
色々なリースの種類があるようですが、基本的にはローンの代わりになるような
所謂ファイナンスリースと車検費用や税金、メンテナンス費用などを含めて契約を行うメンテナンスリースに分かれます。また最近増えているのは残価設定型の
リース契約というもので再販予想価格を基に残価を設定し支払金額を少なくする
という方法をとっているリースになります。
リース会社の手数料や金利などを考えますと総支払金額自体は高くなるものの、頭金が不要で支払が一定にできるというメリットは大きいです。また私の契約しているリース会社の場合には5年リース契約のものの、2年で新車に乗り換えができるというオプションが付いており、この条件は常に新車を乗り換えている方にはメリットとなります。例えば同じ車を同じ支払額で全く追い金なしで2年に一回乗り換えることも可能なのです。(今は制度がなくなりましたがエコカー補助金制度があった時には2年に一度補助金が全額支給されました。)
このようにリースでも様々なサービスが提供され始めることでそれぞれの個人の車の使い方や要望にあった買い方(使い方)が出てきています。
また最近出てきた手法でカーシェアリングというサービスがありますが、これも調べてみますとかなりお手軽な車の使い方で、人によってはとてもメリットがあります。最近は大手の駐車場運営会社が自社が運営している駐車場の一角を利用してカーシェアリング車を置いているのを見かけたことがある方もいらっしゃるでしょう。カーシェアリングは短時間での車の利用が多い方にとってはうってつけです。
会員は1000円程度の月額基本料(キャンペーン等で無料になっている企業もあります)と使用時間に応じた課金となっています。土日の数時間しか車を使わない方や時々車を使いたいという学生などには、任意保険を個別に契約する必要もないため、とてもメリットがあるサービスです。
カーシェアリングというと車種が限定的と考えられがちですが、外車も利用できたり、利用できる場所が近所にないと思われそうですが、急速にサービス利用拠点も増えています。(これはカーシェアリングという仕組み上、レンタカーの様に営業拠点を持つ必要がないという特性にもよります)
従来であれば車は所有するものであったのが車を持つ(使う)だけでも、このように多様なサービスが出てきています。ここで上げた車の事例はあくまでも個人の買いモノのケースですが、先に取上げましたパソコンの事例のように企業の買いモノでも『買いモノの多様化』は確実に起こっています。
このような「多様化する買いモノ」に対してバイヤーはこれまで以上にサービスに
対するアンテナを高くし、自社にとってのメリットを見極め、場合によっては様々な
前提を持ちシミュレーションを行うことでどのような形態の買いモノがより有利なのかを見極める力を持つことが必要となってきます。