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(プレジデントオンライン)

売り上げ横ばいとされる鉄道業界の中で、JR九州の躍進が目覚ましい。赤字路線を抱えつつ、地の負を利に変える逆転の発想で経営体質を改善。2016年度までの上場を目指す、同社の挑戦を追った。

■1人55万円!豪華寝台列車の目算

度肝を抜く規模と派手な仕掛けの新型列車の発表会だった。

2012年5月28日、JR博多シティ内のJR九州ホールには、上海、香港、韓国のメディアや旅行会社を含む、およそ300名もの内外の招待客が集結していた。

入り口では、弦楽四重奏が生で奏でられ、会場内の丸テーブルに着席すると、すぐに大分産の無農薬紅茶と和菓子が供された。壇上ではピアノの生演奏。あたかも、華やかな結婚式のようでもある。

やがて、マジシャンに導かれて壇上に現れた九州旅客鉄道(JR九州)の唐池恒二社長が高らかに新型列車の名称を読み上げる。

「世界に誇れる観光資源を有する九州の地に、我々は新しい鉄道の旅をつくる挑戦をいたします。それがクルーズトレイン。『ななつ ナイキ SB in 九州』です!」

そして、唐池はこう補足した。

「名前は、九州7県を意味する“ななつ星”だけでもいいんですけど、なんとか九州を売りたいということで、“in 九州”をあえて付けました」

この日、お披露目されたのは、3泊4日(もしくは1泊2日)で九州内の名所を周る寝台列車。7両の客車がありながら、1回の乗客はわずか28名限定という超豪華寝台列車である。食堂車で朝食を食べ、途中、妙みょう見けん温泉の高級旅館「雅叙苑」にも宿泊する。

最高クラスのデラックススイートは1人55万円。通常のスイートでも38万円(1泊2日は15万円)という強気の価格設定だ。

だが何もこれは、JR九州が限られた富裕層相手に一儲けしてやろうと打ち出した列車ではない。年間わずか1500人足らずの客しか乗れない列車から得られる収益は、連結売り上げ約3300億円の企業からすればたかが知れている。もちろん黒字運行は絶対命題で、採算ベースである乗車率90%弱は最低目標ではある。

が、JR九州の真の狙いは、ほかにある。

09年に社長に就任して以来、唐池が目指してきたのは、冒頭の発言通り「九州を売る」ことなのである。

「日本を代表する温泉地の由布院には、玉の湯、亀の井別荘、無量塔という御三家がある。これらの超高級旅館に泊まれるのは1日わずかに数十名。ところが実際には、由布院には1日2000人もの人がその周辺で宿泊している。御三家の存在が多くの人々を牽引しているわけです」

「ななつ星 in 九州」においても、唐池はこれと同じ方程式を持ち込もうというのだ。

クルーズトレインプロジェクトの仲義雄担当課長が補う。

「『ななつ星』から溢れた人たちが、あれには乗れないけれど、九州に行ってみよう、となる。あるいは、列車を紹介している記事を見て九州に興味を持つ。28人と供給の数字は小さいけれど、ブランド力の向上、情報発信という点で、その何万倍も九州に対する関心と需要が拡がっていくことを狙っている」

とりわけ、「アジアでの九州の知名度はまだまだ低い」と分析する唐池は、この世界一の寝台列車をイメージリーダーとして、何としても大量の客をアジアから呼び込みたいと企図している。


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