ひと通りの手伝いを終わった私たちは、地獄のような光景を呆然と見ていました
そこに、一人の自衛隊員が私たちに近づいてきた
「誰かをお探しですか?」
「いえっ、東京から手伝いで来たものです」
「そうですか、ご苦労様です」
「何でボランティアの人たちが居ないんですか?もう3日も経っているのに・・・」
「今回の震災はそれほど大きいという事です」
「はっ?」
「これだけ広い場所で、多くの人が行方不明になっていると、先に進むのにも時間が掛かります」
「まず、人命救助ですよね?瓦礫の中から被害者を探すのが一番です」
「重機を入れたり、ボランティアの人たちを現場に入れる事がまだ出来ないんです」
少し、黙った後
「でも近いうちに救助活動を打ち切り、復興作業に移る時が来ちゃうんです」
「・・・辛いです」
そうか、行方不明になった人をいつまでも探してたら、今、やっとの思いで救われた
人たちまで、犠牲になるかもしれないんだ・・・
正に苦渋の選択の日が、近づいているんだ
探すのを止める日が来てしまうんだ
そう思ったら、涙があふれ出た
私は幸せだ、本当にそう感じた
私は、いつ食べるか分からないカップラーメンや、万が一の為のお米やパンを
買い溜めする気にはとてもなれない
あらためて
「東北地方太平洋沖地震」において、被害に遭われた皆さまに心よりのお見舞いを申し上げます
また、被災地において、日夜を問わず被災者救助をはじめとする災害対策に
全力を尽くしていらっしゃる皆様に、深く敬意と感謝の意を表します
被災地の一日も早い復旧と、皆さまのご無事を、心よりお祈り申し上げます