Rock'n Roll Radio

Rock'n Roll Radio

音楽の事・写真の事・日常の事等思いついた時に、主観的・個人的見解で好き勝手書き殴ります。

Amebaでブログを始めよう!
 


 もしこのバンドと出会ってなければ、自分はどうなっていたのだろう。下手すれば、少なくとも精神的には死んでるんじゃないか?と、思うぐらいのバンドが今までの人生の中にはいくつかいる。その中のひとつは、自分の20代前半を圧倒的な容量で占める、フィッシュマンズである。聴いたきっかけは、友達の薦めだった。フィッシュマンズというバンド名は知っていたけど、いわゆるJ-Rock の範疇を出ない、特に今さらわざわざ聴く価値はないバンドだと思ってた。その頃の自分に会ったら、目ん玉飛び出る程ボディーブローしてやりたいお。素直に感銘を受けられたのは、もしかしたら東京へ出
て来てからの、自分の状況というのも関係あるかもしれない。

 名盤とされているのは「空中キャンプ」・「Long Season」・「宇宙・日本・世田谷」のいわゆる世田谷3部作といわれるアルバム。どれも素晴らしい。初期~中期も良いけど、この3枚のアルバムの音楽的な完成度は圧倒的なのだ。退屈な音楽と、退屈を表現している音楽は全く違う、とは誰かのフィッシュマンズへの評論だった。少ないコード進行とミニマルな構造、なのに全く飽きの来ない展開、余分なものを一切削ぎ落とした様な無駄の無い音作り、他の人が感じていても言語化出来ないような佐藤伸治の紡ぐ言葉、オカマみたいな声と気持ち悪い動き、どれも素晴らしい。アンビリーバボー!!
佐藤伸治の声が苦手だという人は結構いますね。

 ちょうど同時期によく聴いていた、ゆらゆら帝国の「空洞です」と世田谷3部作にはどこか通じるものを感じていた。それは、ある意味バンドの終わりであり、音楽のひとつの到達点である、と。これ以上音楽がからっぽを表現出来るのか?って。実質、フィッシュマンズのラストライブであった(現在のフィッシュマンズは除く)、赤坂ブリッツの「男達の別れ」のMCで佐藤伸治は言った。「また一からやり直そうって感じなんですよ。」って。「あと10年ぐらいしたら自分も変われるかな?」って。そして「In the flight」を歌うのです。その数ヶ月後に亡くなってしまう事を知ってると、もう涙がちょちょ切れる。もしその先の音があるなら、聴いてみたかった。

 フィッシュマンズのデビュー曲であり、とても好きな曲「ひこうき」。なんかこの曲と、このミュージックビデオにもう全てがあるような気がしてしまう。結局こういう事なんじゃないか?って。自分が一生背負っていくものってこれなんじゃないか?って。イントロのピアノの音色は、いつも心の琴線に触れる。

ふたりの物語はいつでもあの日のまま
いくつもの時が経っても
消えない飛行機雲もあの日のままだよ
今度もここでずっと会える

フィッシュマンズについては、まだまだ書き足りないので、また書きます。